今回は、デジタル化の観点から見たキャリアについてのお話です。
要約すると、デジタル化にインセンティブがない産業(or企業)にいるだけで、お給料は上がらないし、スキルも陳腐化していしまうという悲しいことになるよー、損するよーというお話をしたいと思います。
デジタル化にインセンティブがある産業
まずはデジタル化にインセンティブが「ある」方から見てみましょう。
デジタル化にインセンティブがある産業(企業)は、競争の激しい産業、特に大手企業同士がしのぎを削っている産業です。
たとえば、自動車、都市銀行、通信(携帯電話)などです。
都市銀行は印鑑文化ですので、もともと紙の資料が膨大で大量に一般職を雇って人海戦術で処理するような産業でしたが、彼らは資本的体力がありますし、メガバンク同士やグローバル規模の競争にもさらされているため、近年はこうした文化も変わりつつあります。
彼らは競争に勝つために、効率化・省力化によるコスト削減や、高品質なサービスの提供による顧客満足度の向上のため、積極的にデジタル化に投資します。
デジタル化に積極的な産業では、デジタル・ソリューションの導入による省力化により、今までと同じ仕事に必要な人間の数は減るため、一人当たりの生産性は向上します。
デジタル化のコスト分はマイナスになるとしても、省力化した人件費の方が大きいため、経費が削減され、給与の上昇に対する大きなインセンティブとなります。
つまりデジタル化すると、一時的に余剰人員については削減されたりしますが、効率化されるので、生産性が上がり、残った人の給与は上がるのです。
そしてそれが人材獲得に有利に働き、競争力のさらなる向上につながるのです。
デジタル化にインセンティブのない産業
一方でデジタル化に消極的な産業では、これとは反対の状況が起こります。
デジタル化に消極的な産業は2種類あります。
水道事業などは競争がありませんので、デジタル化に対するインセンティブがありません。
今のやり方でも文句を言う人がいないので、いまだに使用量の自動計測などは行われず、検針員が人力で水道使用量をチェックして回っています。
また、デジタル化する投資余力の乏しい中小企業は、デジタル化に目をつぶって人力でなんとかごまかしているところもあり、一歩間違えればブラック企業に陥るリスクがあります。
こうした産業の特徴は、働き方が労働集約的な点です。
時代でいえば昭和くらい、地域でいうと発展途上国と同じような働き方をいまだにしています。
そうすると何が起こるかというと、いつまでも新しい働き方やデジタル対応力が身につかないため、スキルが陳腐化していき、気がついたら時代から取り残される危険性があります。
ITやAIでできないことをやっているならいいのですが、どう考えても自動化できるのに、経営者にそのインセンティブがないから入れてないのであれば、あなたのキャリアにも黄信号が点滅します。
自分ではどうしようもないから転職も視野に入れるべき
産業や企業に固有の問題で起こるデジタル化の遅れやスキルの陳腐化は、個人の力では解決が難しいです。
場合によっては転職も視野に入れた方が良いでしょう。
その産業や企業で働けなくなるまで雇用が保証されれば良いですが、人生100年時代と言われる現代において、ほぼあり得ないでしょう。
地盤ごと沈んでいく時できることは、いち早く逃げ出すとです。
動物が火山を察知して大移動を開始するがごとくです。
自分の産業や会社は大丈夫なのか、今一度、確認しましょう。
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ひとことポイント
・デジタル化に積極的な産業や企業を選ぼう
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