ノーコードが流行ればプログラマーは食えなくなるのか

programmer 02.キャリア・副業

一昨日(2020年6月18日)の日経に、「ノーコード」についての記事が出ていました。

誰でもソフト開発「ノーコード」 米IT大手が熱視線 - 日本経済新聞
【シリコンバレー=佐藤浩実】プログラミング言語の知識がなくてもソフトウエアを開発できる「ノーコード/ローコード」と呼ぶ技術への関心が高まってきた。米マイクロソフトの開発基盤の利用者は半年で7割増え、米グーグルや独シーメンスは関連企業の買収に...

ということで今回は、ノーコードとプログラマーの職業的余命のお話をしたいと思います。

ノーコードとはなにか

coding

ノーコードローコードがバズワードになりつつあります。

ノーコードはその名のとおり、コードを書くことなくシステムやアプリを構築することで、ローコードは少しのプログラミングでシステムやアプリを構築することです。

これからプログラマーやエンジニアになる人は、気にした方がいいかもしれない言葉です。

この分野はスタートアップが提供しているサービスもたくさんありますが、ビジネス系サービスなので、大手テック企業も注力している分野です。

Microsoftの「PowerApps」は割と有名ですが、クラウドサービスの大手のGoogleやAWSも自社のサービス拡充のために、買収なり開発なりをするであろうと予測できます。

私は、デジタル化の担い手であるSEやプログラマーは、現時点での有望職種だと思っています。

ただ、テクノロジーが進歩すれば、今の仕事のやり方や割合が変わると思います。

その主要因が、テクノロジーの進化による人間作業の代替であり、プログラマーで言えばノーコードやローコードです。

まぁでもコレって10年以上も前から言われていたことのような気もします。

私がSEだった頃も、IBMのラショナルで設計するとコードが自動生成されるとかなんとか言っていた気が。

当時は「客寄せパンダ」レベルだったのが、近年、実用段階に来ているということでしょうか。

ノーコードが及ぼす2つの影響

さて、ノーコードやローコードが定着すると、どうなるでしょうか。

結論的には、既存のプレイヤーは実装が楽になるという点と、裾野が拡がるから、新規参入者が増加して、ちょっとしたものは自分たちで作るようになると思います。

ノーコードやローコードによる影響
  • 既存プレイヤー:実装が楽になり、時間も短縮される
  • 新規プレイヤー:実装が簡単になるので、参入者が増加

どちらかというと新規プレイヤーの参入という影響の方が大きい気がします。

MicrosoftのPowerAppsの事例などを見ても、システム屋ではない人間が簡単にアプリを作ることができた、という文脈で語られています。

いま日本企業で定着しつつあるRPAも、ある意味、ノーコード、ローコードみたいなものです。

あー、でもそうすると素人の人がアプリを作るようになって、エラーハンドリングとかセキュリティとかまったく考えられていないアプリがボコボコできて、世にあふれ、アプリの質が一気に下がるかもしれません。

が、それを補うサービスというか機能も順次実装されていくので、一過性と言えば一過性なのか。

ノーコードやローコードになってもコアなスキルは変わらない

ノーコードやローコードが普及しても、アルゴリズムを考えるという設計のスキルは相変わらず必要で、むしろ比重が高まります。

要するに、頭と時間を使うのは設計段階が中心になって、実装とかプログラミングは、ポチポチ、パズルをはめていく作業になる感じです。

そうすると、設計書に基づいて実装の部分だけを担うような、純粋なプログラマーはなくなってしまうかもしれません。

うーん、でもどっちの方が速いんでしょうね。

本当にコードを素早く書ける人、予測変換とかIMEとか使ってものすごいスピードで書いていく人なら、ノーコードとか使わないで、ベタ打ちでコードを書く方が速いかもとも思いますが。

似たようなことはAIやデータサイエンスでも起こる

同じようなことは、AIやデータサイエンスの分野でも起こるでしょう。

いわゆる「○○の民主化」ですね。

これは市場原理的に説明がつきます。

需要が急拡大すると供給が追いつかなくなり、既存プレイヤーの年収が上がったり、ブラック企業では激務になったりしますが、時が経つにつれて人材供給が段々と追いついていき、またテクノロジーで解決しようとするプレイヤーも出現します。

そうすると一気に参入障壁が崩れる、という流れです。

考えてみれば、このブログのように、コード不要でブログを作成できるWordPressの登場も、「オシャレなブログの民主化」かもしれません。

かつては、業者に頼まないと作成できなかったブログやサイトが、自分たちで簡単に構築できるようになりました。

ということで、テクノロジーでの解決策が進歩しすぎると、既存プレイヤーは雇用を奪われますが、今回はどうでしょう。

かつて、手書きの文章をタイプライターで打ち込む職業がありましたが、プログラマーもその運命にあるのでしょうか。

まぁまだ今のところ、その気配はないですね。

というか、新規の開発は、ノーコードやローコードに移行していくのでしょうけど、世の中にあまたある既存のシステムが生き残っている限り、人類はプログラミングからは解放されないでしょう。

少なくとも10年くらいは、プログラマーはなくならないのでは?

^U^

ひとことポイント

・ノーコードが普及しても、アルゴリズムを考えたりエラーハンドリングをしたりするというシステム構築のスキルは相変わらず重要だから、そこを磨こう

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