「好きなこと」ではなく、「解決したい課題」で生きる道を創る

creative class 02.キャリア・副業

さて本日は、落合陽一さんの『働き方5.0』特集第2段で、これからの時代に必要な働き手の階層である「クリエイティブ・クラス」についてのお話です。

クリエイティブ・クラスとは

クリエイティブ・クラスとは、創造的な専門性を持つ知的労働者のことで、もともとは経済学者・社会科学者であるリチャード・フロリダによって提唱された概念です。

落合さんはクリエイティブ・クラスが人材としての価値を今後ますます高める一方、ブルーカラーやホワイトカラーの労働力は今後デジタル・レイバーに置き換わっていくとしています。

やはり落合さんも、ブルーカラーのみならず、これからはホワイトカラーの仕事も代替されていくと考えているようです。

つい最近まで、自動化による労働力の削減対象はもっぱらブルーカラーでした。

昭和から平成にかけて、「3K」と呼ばれるハードな仕事を人間に代わって行う作業ロボットが、主に製造業で盛んに取り入れてきた歴史があります。

ところがAIをはじめとするデジタル化の進展により、従来の世界では比較的安定した労働(雇用)環境にあったホワイトカラーも、令和の時代にあってはシステムやロボットにより代替される可能性が高くなってきたのです。

落合さんは、ホワイトカラーの行く末について、次のように述べています。

いまのホワイトカラーはまさに「できるだけ時給を高めて余暇を豊かに過ごす」のが基本スタイルですが、それはどんどんシステムに駆逐されていきます。

ワーク・ライフ・バランスを考える人たちは、いずれシステムが発達した世界でシステムに組み入れられることでしょう。

出典:働き方5.0

ワーク・ライフ・バランスを考えるホワイトカラー的な働き方をしていても、いずれはシステムに置き換わってしまうということです。

この点については以前にご紹介した『10年後に食える仕事 食えない仕事: AI、ロボット化で変わる職のカタチ』と整合する論旨になっています。

私は漠然と、ホワイトカラーでもAI・ロボティクスに代替される人間と、そうでない人間がいると考えていましたが、落合さんは後者の人間がまさにクリエイティブ・クラスだと唱えているわけです。

「課題」を見つけることがファースト・ステップ

では、クリエイティブ・クラスになるためには、どうすればよいのでしょうか?

この点について落合さんは、「課題を見つけること」の重要さを説いています。

「好きなことをして生きる」のではなく、適切な課題設定を社会に創造するのがクリエイティブ・クラスの役割だと考えているからです。

しかし、クリエイティブ・クラスの人間が解決する問題は、他人から与えられるものではありません。

彼らの仕事は、まず誰も気づかなかった問題がそこにあることを発見するところから始まります。

だからこそ、まずは問題を発見することが大事になる。

問題を見つけられない人は、当然ですが問題のオリジナルな解決法も考えられません。

出典:働き方5.0

よく、「好きなことを仕事にしろ」と自己啓発本には出てきたりしますが、落合さんはそこのところは少し異なる見方をされていて、「好きなことってなんだろう」の迷路に迷い込むと抜けられなくなるから、そうではなくて、社会の中に自分の解決したい「課題」を見つけるべき、説いています。

そして、新しい課題を発見して解決するために必要なことは、「勉強」ではなく「研究」であり、これからの時代にクリエイティブ・クラスたるんとする者は研究に努めるべきだと主張されています。

「レンジの広い専門性」と「モチベーション」で自分の「世界観」を創る

「自分なりの課題」を見つけることができれば、クリエイティブ・クラスへの第一歩を踏み出したことになりますが、それだけでクリエイティブ・クラスになれたわけではありません。

「働き方5.0」を読み解くと、クリエイティブ・クラスとして生きていくために必要な要件として「レンジの広い専門性」と「モチベーション」、そしてそこから導き出される自分なりの「世界観」が必要だと感じます。

レンジの広い専門性=「変態性」

まず、クリエイティブ・クラスに不可欠な要件として、「レンジの広い専門性」が挙げられます。

落合さんはこれを「変態性」と呼んでいます。

なみに、クリエイティブ・クラスには専門性が不可欠ですが、そのレンジが狭すぎると失敗の確立が高まります。

だから、レンジをある程度広くとった「変態性」が重要です。

しかし私の言う「変態」は比較的レンジの広い専門性を持っているので、選べる職種も広い。

才能という言葉だけでは表しきれない猛烈な執念のようなものが「変態」からはただよってくるのです。

出典:働き方5.0

この点については、以前のエントリーでもご紹介しています。

「変態」という言葉のもっともポジティブな解釈ですね(笑)。

私のイメージでは、落合さんの言う変態は「社会課題を持ったオタク」です。

社会を変えるモチベーションがあるか

次に必要なのが、自分を突き動かすもの、つまり「モチベーション」です。

モチベーションを高く維持するためには、やはり「自分なりの課題」を見つけることが大事なステップだということでしょう。

誰だって他人から押しつけられた課題より、自分で見つけた課題の方がモチベーションは高くなるのは当然ですので。

ですから、システムに「使われる」側ではない生き方・働き方をしようと思うなら、何よりもまず、「こんな社会にしたい」「世界をこう変えたい」という強いモチベーションを持つべきでしょう。

何が見えるか、が勝負だと思います。

出典:働き方5.0

「こういう社会があったらいいな」と想像して、そのワクワク感を原動力にすればいいわけです。

自分だけの世界観を創れ

そして最後は、自分だけの「世界観」を作ることです。

だとすれば、これからクリエイティブ・クラスとして生きていく上でいちばん求められるのは、自分だけの「世界観」を持つことでしょう。

すでにテクノロジーの面では素地が整っていますから、まもなくやってくる「働き方5.0」の時代には、個々の人間が持つオリジナリティが重要になるのです。

「こいつは、このテーマで語らせたら永遠に喋り続けるんだろうな」—周囲の人間がそういって苦笑するぐらい個性的な世界観。

これからの世界は、それを持っている人間ほど強いと思います。

オリジナリティを持って、自分の考える「ちょっといい未来」を情熱的に語る人材

どうやらそういう人材が、AI・ロボティクス失業時代に求められるクリエイティブ・クラスのようです。

^U^

ひとことポイント

・「レンジの広い専門性」と「モチベーション」、「オリジナルな世界観」の三種の神器でクリエイティブ・クラスを目指そう

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