私のこれまでの職業経験から導き出されたキャリア論をお話する『私のキャリア論』の第5弾です。
私が考えるキャリアのポイントは全部で9つありました。
ということで、本日はキャリア選択上の軸を考える上での観点として、『強みをテコに人生の突破口を開け』というお話です。
弱点補強ばかりに時間を使ってはいけない
平均人間を量産する日本の教育制度
世の中には、というか日本には、弱点補強を大切にする文化が根づいています。
別の言葉でいえば、「平均底上げ主義」とでも言いましょうか。
とにかく苦手なこと、弱点を補う勉強やトレーニングをすることに、多くの時間を割こうという考え方です。
これはおそらく日本の教育制度に原因があるのでしょう。
日本の教育制度というか大学・高校・中学の入試試験は、各教科の合計点で合否が決まるシステムです。
このゲームで勝つには、平均点を上げる必要があり、すでに特典が高い得意科目より、伸びしろが大きい苦手科目を底上げする方が手っ取り早いという特徴があります。
こういう関門をくぐって育ってきた人間はどうなるでしょうか。
おそらく、なんでも卒なくこなせるかわりに、目立った特徴のない平均人間になるでしょう。
平均人間が淘汰される理由
平均人間を量産することは、これからの時代、社会全体としてみた場合も、かなり損をしていると言えます。
理由は2つあります。
1つ目の理由として、社会は組織やチームで仕事をするからです。
ある人の不得意は他の人の得意であれば、お互いを補うようなチームを組めば問題ありません。
むしろ得意が突出している者同士が集まったチームは、平均人間の集まったチームよりずっとパフォーマンスが高いでしょう。
2つ目の理由は、平均人間はAIやロボティクスに淘汰される可能性が高いからです。
これからの社会は尖った才能やスキルを持つ人間により大きな役割や報酬を与えるようになると思います。
アメリカなどの先進国、取り分け個人主義の感が方が強い社会では、弱点を補強するのではなく、得意なことを伸ばすという考え方が浸透しています。
日本も早く個性を尊重し、強みを活かす文化へと成長してほしいと本気で思います。
強みを磨いてレアキャラになろう
平均人間を脱出するために「出る杭」になろう
人には歩んできた人生によって培われた性格とか適性があります。
これを無視して苦手なことに時間を集中しても、効率は悪いばかりか、モチベーションも上がりません。
私たちは「出る杭」になる必要があります。
ではどうすれば「出る杭」になれるのか。
それは①自分の強みに気づくこと、②専門性とオリジナリティを磨くこと、が重要です。
自分の強みに気づく
何はともあれ、自分の強みに気づくことが重要です。
自分は何が得意なのか、他人と比べてどんな強みがあるのかがわかっていないと、何を強化していいのかわかりません。
元々強みに意識が向いていて、自分の得意不得意がわかっていれば良いですが、自分は何が得意なのかわからないということもあるでしょう。
また、自分の知らなかった強みを知りたいということもあるかもしれません。
そんな人におススメなのが、「ストレングス・ファインダー」という選択式の強み診断テストです。
詳細は過去のエントリーに記載していますのでここでは割愛しますが、このツールを使えば、世の中にある34の資質と呼ばれる強みの中から、自分を表す最も特徴的な5つの資質(強み)を教えてくれます。
資質は「考え方のクセ」みたいなもので、これがあなたの特徴であり、また強みでもあります。
ただこれを知っただけで終わり、ではありません。
この資質を活かして、自分をさらに磨く必要があります。
専門性とオリジナリティを持て
自分の強みを磨くことの目的は、端的に言ってしまえば「レアキャラになるため」です。
レアキャラとは、希少性のあるキャラクターであり、レアなスキルを持っているため、なかなか他の人間と代替がきかない人のことです。
レアキャラになるためには「専門性」を持つこと、そして「オリジナリティ」を発揮することが重要です。
「レアキャラ」になるための戦略は、過去のエントリーに記載していますので、ご参考に。
前述のとおり、これからは没個性的な生き方では機械に淘汰されてしまいます。
キャリアを検討するにあたっては、専門性を磨けるか、オリジナリティを発揮できるかという観点からも考えると、より良い選択ができると思います。
凡人には凡人の戦略がある
さてここまで、強みを磨くという全体的な方向性のお話をしてきましたが、ここではもう少し戦略的なお話をしたいと思います。
個性を磨けとか強みを活かせと言われても、自分は凡人で特に際立った能力があるわけではないので、どうすればいいかわからないという人もいるでしょう。
しかし、それは問題ありません。
専門性は「時間」や「場所」で作ることができるのです。
継続は力なり
「千里の道も一歩から」ということわざがあるとおり、何事も継続的なトレーニングによって磨かれていきます。
他人より少しだけ上手いくらいのレベルのものでも、訓練を続けていけば、やがて大きな差になります。
継続が大事です。
それには「習慣化」する意識が必要です。
毎日コツコツと続けていき、習慣にしてしまえば、あまり意志の力を使わず、自然と日常の動作に入るようになり、やがて大きな力になります。
習慣化のための方略も過去のエントリーにありますので、載せておきます。
レッドオーシャンを避け、ブルーオーシャンで戦う
習慣化が時間の戦略だとすれば、戦う土俵を選ぶことは「場所」の戦略です。
「戦う土俵を間違えない」ことは、とても重要です。
結局、自分の得意も不得意も、他人と比べた際に顕著に表れる相対的なものです。
戦う土俵を間違わなければ、得意は光り輝きますし、反対に戦う土俵を間違えれば、ありふれた能力として埋没してしまいます。
ブルーオーシャンで戦うことを意識することが重要です。
あなたは(特に仕事面で)周りの人に、どんな人間として記憶されたいでしょうか。
「これをやらせるならアイツしかいない」と思われるような人間になれば、あなたはとても良い道を進んでいると言えます。
強みをテコに、人生を切り開きましょう!
^U^
ひとことポイント
・強みをさらに伸ばすことこそが、キャリアと人生を輝かせる最上の道である
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