『働き方5.0』で天才でも秀才でもない、変態を目指せ

researcher 02.キャリア・副業

今回から3回にわたり、落合陽一さんの『働き方5.0』を読んで感じたことを書きたいと思います

この本について軽く補足すると、落合さんのロングセラー『これからの世界をつくる仲間たちへ』を、コロナ後の世界観に合うようにアップデートして新書化したものです。

本日は、本書をとおして流れる全体的なテーマを俯瞰し、落合さんが言いたかったことが、自分の専門性を極めて文脈で語れる「現代の魔術師」になろう、ということではないかと思ったので、これについて3つのポイント(主張)に分けてお話しします。

次回は、本書に頻繁に出てくる「クリエイティブ・クラス」について、第3回は「英語とプログラミング教育」についてのお話にしたいと思います。

魔法を解き明かして魔術師になれ

1点目のポイントは、「魔法を解き明かして魔術師になれ」というものです。

この本では、「原理は理解できないが、使うことはできる便利なもの」のことを比喩的に「魔法」とか「魔術」と呼んでいます。

科学の進展で物事の原理が解き明かされ、「脱魔法化」が進んだ現代の歴史ですが、コンピューターの出現で再びブラックボックス化が進み、魔法のようになってきていると、落合さんは指摘しています。

コンピューターのように、原理を理解しなくても、使えれば問題ないものは世の中にあまたありますが、落合さんは、それを是として受け入れるのではなく、何らかの専門性を持つことで、魔法の種明かしをし、魔法を使えるようになれ、という趣旨の主張をされています。

魔法の原理を一つもわかろうとしないまま過ごしていると、あるとき気がついたら、システムに使われるだけの人間になっていた、ということも起こりえるのが、テクノロジーが急速に進化し続けている現代です。

そうならないためにも、意識的に魔法の解明に努めたいところです。

自分だけのテーマを見つけて、文脈で語れるようになれ

2つ目のポイントは、「自分だけのテーマを見つけて、文脈で語れるようになれ」というものです。

落合さんがよく学生たちに、「その新しい価値がいまの世界にある価値を変えていく理由に、文脈がつくか」、「それに対してどれくらい造詣が深いか」を問うているとのことです。

落合さんが一番伝えたい「自分のテーマ選び」の際のポイントとして、以下の5つの項目を挙げています。

自分のテーマを選定する上でのチェックポイント
  • それによって誰が幸せになるのか。
  • なぜいま、その問題なのか、なぜ先人たちはそれができなかったのか。
  • 過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
  • どこに行けばそれができるのか。
  • 実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

スタートアップが起業するときの問答のようですが、これは個人でも大切な問いと言えるでしょう。

専門性を発揮して、人類未踏の地に立て

3つ目のポイントは、「専門性を発揮して、人類未踏の地に立て」というものです。

落合さんはこれからの時代に重要なスキルをいくつか挙げていますが、その中でも最も重要視されているのが、「専門性」です。

重要なのは、「言語化する能力」「論理力」「思考体力」「世界70億人を相手にすること」「経済感覚」「世界は人間が回しているという意識」、そして「専門性」です。

これらの武器を身につければ、「自分」という個人に価値が生まれるので、どこでも活躍の場を見つけることができます。

何より「専門性」は重要です。

小さなことでもいいから、「自分にしかできないこと」は、その人材を欲するに十分な理由だからです。

専門性を高めていけば、「魔法を使う側」になることができるはずです。

出典:働き方5.0

そして自分の強みと専門性を活かして、人類未踏の地に足をつけることこそ、人が生きる意味であると説きます。

自分の価値=オリジナリティと専門性を活かして、これまで人類が誰も到達できなかった地点に立つ。

それが、自分の生きる意味であり価値だと思っています。

出典:働き方5.0

最先端を走る研究者ならではの、味わい深い人生観だと思います。

3つのポイントをまとめると、「変態」になるらしい

上記の3つのポイントを落合さんがまとめると「変態」という言葉になるみたいです(笑)。

ジェネラリストのような「秀才」でもなく、極端に狭い範囲のことしかできない「天才」でもない、ある程度幅を持ち、応用が利く専門性を持つもの、それが「変態」です。

落合さんらしい、独特の表現ですね。

ということで、みなさん、変態を目指しましょう。

^U^

ひとことポイント

・ある程度幅を持ち、応用が利く専門性を持つ「変態」を目指そう

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