本日もようこそ、Uです。
東京でも新型コロナウィルスが段々と収束しているように見えるなか、7月の東京都知事選が近づいています。
そんなおり、堀江貴文さんが『東京改造計画』という刺激的な本をタイムリー&スピーディーに出されましたので、さっそく読んでみました。
時流に乗る時のスピード感は、さすがですね(笑)。
ということで今回は、『東京改造計画』についての概要やレビューのお話です。
『東京改造計画』の概要
『東京改造計画』の概要と4つのカテゴリー
この本は堀江貴文さんの東京をよくするための37の提言が書いてあります。
37の提言はざっくり「ネガティブ+ストップ」系と「ポジティブ+スタート」系の2系統があります。
私はなんとなくそれを、ネガ・ポジそれぞれ2つずつ、計4つのカテゴリーに分けてみました。
それが以下の図です。
一つのエリアに収まりきらない提言もありましたが、一旦「一番言いたいところはここのところなんじゃないか」というところに収めました。
No.09の「東京の空が空いている」とか、「うーんどれだろうなー」と少し悩みました。
総論としては、「ネガティブ系の提言に書いてあることをやめて、ポジティブ系の提言をはじめよう」という極めて単純明確な本になっています。
キーワードは「3S」とのこと。
ウィズコロナの時代のキーワードは「3S」だ。
「スピード」「スマート」「スモール」。
オンライン化できるところはすべてオンラインにする。
無駄な接触や移動をなくす。
無駄な作業、無駄な人員をなくし、組織を小さくする。
「3S」を実現し、「スペシャル」な都市にする。
出典:東京改造計画
今、特に日本全体が新型コロナウィルスでヒステリックになりがちですが、ロジカルに科学的に考えて行動しようというのが堀江さんの主張だと考えます。
「ネガティブ」なことを「ストップ」しよう
ネガティブ・ストップ系は、「悪平等をやめよう」の5つと、「悪しき慣習をやめよう」の7つからなります。
さっきの一覧だと、スマホでは字が小さくて見えないかもしれないので、ネガティブ系だけのバージョンを貼りつけます。
↑ちょっとムダなスペースありますが、「ポジティブ+スタート」系とのバランスのためです。
余談ですが、「妖精さん」って言葉、カワイイですね(笑)。
働かないおじさんのことらしいですが、私のイメージだと妖精さんは、人が見ていない夜中に働いて朝起きると仕事をフィニッシュしてくれている、割とポジティブなキャラクターという印象です。
悪平等をやめよう
このカテゴリーは、日本人が陥りやすい「平等こそ正義だ」という考えを見直しませんか?というタイプです。
No.01とNo.04の「首都高の渋滞」や「満員電車」の緩和のためのダイナミック・プライシングの導入は、オフピーク時の料金を下げるという施策なので、夜間電力が安いのと一緒ですね。
本の中での例が、新幹線のグリーン車や飛行機のビジネスクラスになってましたが、これはピークを緩和するための施策ではないので、少し違うと思います。
たとえば、満員電車緩和のために、平日午前○時~✖時まで料金を2倍にしたりすると、企業が人件費を下げるために、オフピークをするだろうという趣旨のロジックです。
こういうのを一律で導入しようとすると必ず、「取引先に行く必要があるフリーランサーはどうするのか」とか、「予約があってその時間に病院に行かなくてはいけない高齢者はどうするのか」というマイノリティの取りこぼしという課題は出てきます。
ですので、そういう課題をケアしつつ、かつ激変緩和措置も組みながら丁寧に導入しないと反発が大きいでしょうね。
ちなみに、シリコンバレーの朝と夕方のラッシュ時の渋滞もひどいものがありますが、「カープールレーン」という、2人以上の乗り合いであれば(または環境にやさしいエコカーであれば)走れる専用レーンがあって、カーシェアを促して、渋滞の緩和に一役を買っています。
解決策はひとつではありません。
悪しき慣習をやめよう
このカテゴリーは、慣習的に継続されている制度とかをやめようよ、というタイプです。
「そんなのやめてムダを省こうよ」という意味合いが強いですかね。
No.05の「切符も改札機もなくす」は、技術的解決策の導入でもできると思いますし、そうではない『自己申告制』でも、割と利用者が少ない路線ならできると思います。
欧州では、自己申告制が広く普及しています。
切符がなくても乗れますが、そのかわりキセルが見つかると、高額な罰金が取られます。
No.20の大麻解禁については、アメリカでは州によっては合法で、カリフォルニア州もOKです。
ヘルスケア・医療に大麻を活用する動きは広がっていて、そのため大麻系のスタートアップが勃興しています。
「ポジティブ」なことを「スタート」しよう
ポジティブ・スタート系は、「新しい制度・技術・サービスを導入しよう」の17個と、「おもしろいことやろうぜ」の8つからなります。
こうして並べてみると、圧倒的に「新しい制度・技術・サービスを導入しよう」が多いですね(笑)。
新しい制度・技術・サービスを導入しよう
このカテゴリーは、読んで字のごとくですが、新しい仕組みを導入して東京をよくしようぜ、というタイプです。
No.06の「現金使用禁止令」にあるキャッシュレスの推進は、確かに今回の新型コロナウィルスの影響で「お金を触るのが不衛生」という意識が醸成されれば、けっこう普及するかもしれませんね。
アメリカはもう何十年も前からクレジットカード社会ですし、中国は少し前からQRコード社会です。
アメリカで生活しているとまったく現金を触りません。
ホントに少額でもクレジットカードで、キャッシュを出すと、めんどくさがられます(笑)。
あと個人的には『Ready Player One』の世界観が好きなので、No.11の「VRのインフレを整える」は進んでほしいです。
新型コロナウィルスでVR業界が元気になるんじゃないかなぁなんて思ってましたが、あまり盛り上がった感じがしませんね。
まだVRはキャズムを越えていないということでしょうか。
おもしろいことやろうぜ
このカテゴリーは、ワクワクするような施策で東京を活性化しようというタイプです。
ある意味、堀江さんらしい提言が一番並んでいるのがこのカテゴリーかなと。
人生100年時代を見据えた施策が多いのが特徴です。
No.10の「江戸城再建」は本気で実現してほしいです。
別に皇居にある必要はないので、場所は別のところでもいいです。
というか皇居内に作るのは絶対にムリだと思うので。
No.12の足立区ブルックリン化もいいですね。
でも足立区には、オシャレなアートの町を目指すのであれば、足立区のもともとの色というか良さを活かした方向にしてほしいです。
町の色を消しちゃうと個性がなくなっちゃうので。
最後のNo.37「都民限定の無料オンラインサロン」は、割と実現しやすいのではないでしょうか。
都知事や議員がオンラインサロンで政策へのパブリックオピニオンの募集とか、進行状況の報告とか、イベントの告知とかしたりして、割と実用的ではないかなと。
さすがに都民全員を一つのオンラインサロンに入れると、混乱するだろうしオンラインサロンの内輪感というか居心地のよさがなくなりそうなので、区ごととかでもいいかもしれませんが。
今は新型コロナウィルスの影響で、お母さんが子供を外に連れて行けず、何か子供に問題があっても、近所の子どもと交流したり他のお母さんに相談したりできないので、そういう部分をコミュニティメンバーで支える仕組みとかもあったらいいですね。
そしてこれが実現したら、2020年5月現在で国内最大のオンラインサロンを抱える西野さんが燃えるに違いない!
でも西野さんの目標は『打倒ディズニー』だから燃えないかもしれないですが、個人的には燃える西野さんを見たいです。
『東京改造計画』の書評
では、ここで書評を少々。
・37の各項は一つの提言がタイトルになっているので、言いたいことがわかりやすいです。
逆の見方をすれば、本を読まなくてもなんとなく何を書いてあることがわかったりすると言えます(笑)。
・数字に基づく記述が、他の堀江さんの本より多いです。
過去の本を書く時にしていた、リサーチや取材のための資料を参考にしているところもあると思いますが、リサーチャーがいて、裏取りをしているのだと思います。
堀江さんも本の中で99%の実務は外注していると言ってますし、編集者とかの紹介欄に「ブックライティング」というロールの項目がありますからね。
・提言の中には、堀江節が効いていて、ズバッと具体的な施策を言っているものもあれば、ボンヤリとこうした方がいい、と言ってるものもあり、「提言の鋭さ」という観点からは玉石混交です(笑)。
・ボンヤリしている提言は、次の提言のための前置きみたいなものが多いです。
そのため、若干ムリヤリ分割した感があるのは否めません。
・総じてみれば、玉石混交ながら、ロジックはだいたい通っていますし、割とこれからのビジネスチャンスが転がっているエリアばかりですので、今後のビジネスを展開するうえで参考にしてみるといいかなと思います。
次回予告と過去投稿の紹介
明日も引き続き、気になった提言のいくつかを掘り下げてみたいと思います。
堀江さん好きの方はこちらのエントリーもあわせてどうぞ。
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ひとことポイント
・『東京改造計画』からビジネスアイデアを見つけよう
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