先日、私の投資方針を、「米国高配当株」中心から「日本高成長株」併用に切り替えようと思っている話をしました。
私がそう思ったキッカケとなった本、『割安成長株で2億円 実践テクニック10』を本日はご紹介したいと思います。
『割安成長株で2億円 実践テクニック100』の概要
「中長期で日本の割安成長株に投資」を勧める投資の指南書
この本は、割安成長株で資産2億円を達成した弐億貯男さんによる、投資テクニックの指南書です。
かなり具体的な投資テクニックから投資をする際の思考法まで、幅広く100のテクニックを集めています。
本書で指南する投資方針を簡単にまとめると、①中長期投資、②日本株、③割安成長株、④PER重視、といったところでしょうか。
著者は40代で現役のサラリーマン
弐億貯男さんは現在も会社勤めをされている現役のサラリーマンです。
著者が27歳の2002年、2020年までに2億円を貯めることを目標に投資を行い、みごと、1年前倒しの2019年に達成されています。
今でいうFIREを達成した現在も、資産3億円、5億円を目指しつつ、お仕事を続けているとのこと。
本書はこうした経歴の著者が、自身の投資で実践してきたこと、感じたこと、失敗したこと、成功したことを基に記されています。
『割安成長株で2億円 実践テクニック100』のポイント
割安成長株で儲かる銘柄を探す5つのポイント
この本で一番、重要かつ有益なテクニックが、「割安成長株で儲かる銘柄を探す5つのポイント」です。
この5つのポイントに沿って割安成長株を探せば、かなりの高確率で素晴らしい銘柄に出会えると、私も思います。
ただ、けっこうこれは難しいと思います。
なぜなら、割安成長株を選ぶチェックポイントでありながら、②(配当利回り3%以上)と③(配当性向30%以上)は高配当株に該当するようなポイントだからです。
ハッキリ言ってしまえば、これは高配当株でもあり、高成長株でもある、ものすごく特殊な銘柄だと思います。
一般的に、毎年増収増益をしながら成長している(①)PERが15倍以下(⑤)のような銘柄は、利益を成長のための投資に回しており、したがって 配当利回り3%以上(②)や配当性向30%以上(③)を望めないことが多いです。
さらにストック型ビジネスを選ぶ(④)という投資方針の堅牢さもあり、これはなかなか探すのが難しい(笑)。
筆者本人も、さすがに5つの条件がそろった優良銘柄を発掘するのは難しいと考えいるようで、投資先候補の最低ラインを5つの中の3つ以上の条件がそろう銘柄としています。
この5つ全部でなくても、少なくても3つ以上該当するなら中長期保有する銘柄候補として有望です。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
いずれにせよ、5つすべてを兼ね備えた銘柄が見つかれば、かなりのお宝であることは間違いないでしょう。
ストーリーから期待値を割り出して上限を決め、下限は前提の崩壊か20%で
株の難しいところは買うよりも売る時です。
すなわち、「利益確定」と「損切り」の2つ。
どちらもタイミングを見極めるのは難しく、これは投資家の腕の見せ所といったところでしょうか。
これに関して、著者は大きく、①決算資料等からストーリーを考えること、②利益確定はストーリーを基に「期待値」を割り出して決めること、③損切りは機械的に20%にするか、ストーリーが崩れたら則売却すること、をアドバイスしています。
私は投資する際、「この銘柄はこのように成長して、○%くらいは上がるだろう」といったストーリーを描きます。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
まずはその会社の強みなどを分析して、将来的にはこう成長していくはずだ、というストーリーを描くことが重要ですね。
決算説明会資料はそれほど長いものではなく、難しいことが書かれているわけでもありませんから、全部目を通すといいでしょう。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
ストーリーを描く際は、パワポ(をPDF化)で作られた決算説明会資料がわかりやすいので、参考にするとよいでしょう。
相場観が育たないうちの損切りは、20%値下がりしたら一度撤退するといったルール化が有効なケースもありますが、利益確定には機械的なルールを設けず、できる限り遅くするように意識しましょう。
これは銘柄ごとの「期待値」のようなものであり、期待値を超えた段階で、利益確定するか、継続保有するかをあらためて考えてみるといいでしょう。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
ストーリーから期待値、つまりこれくらいは上がるだろうという予想を立てます。
これはけっこう技術が要りそうなので、ここをもう少し詳しく知りたいところですね(笑)。
成長ストーリーが崩れて無関心になった銘柄は、その時点で売り払って損切りするのがベストです。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
投資していた銘柄の成長ストーリーの前提が崩れてしまった場合、下落幅にかかわらず、売却してしまいましょう、ということですね。
逆にストーリーが崩れていない場合は、20%を超えた下落でも、ホールドしておいたほうがよいこともあります。
ここは、自分が組み立てたストーリーをどれだけ信じられるかにかかっています。
資産が大きくなるほど現金買付余力を増やす
ちょっと変わった(?)アドバイスとしては、現金買付余力の重要さを説いているところです。
資産200万円以上になったら、30%以上は現金買付余力を残しましょう。
出典:割安成長株で2億円 実践テクニック100
これは、急に買いどきの銘柄を見つけた際に、現金買付余力がないと既存の成長中の銘柄を売却してしまうという、本末転倒な事態になってしまうことを避けるためです。
また、フルインベストメント(資産のすべてを株に注入)すると、仮に損失が発生した場合、そうとうな労力をかけて損失分を取り返す必要がありますが、現金買付余力を常にもっておけば、資産全体の損失割合は小さくなります。
さらに、フルインベストメントしてしまうと、コロナショックのような大規模な下落相場で狼狽してしまい、成長ストーリーが崩れていないのに売却してしまう、という精神衛生的上のリスクに対する予防の面もあります。
私の率直な感想
今回ご紹介した『割安成長株で2億円 実践テクニック100』は、私は良書だと感じました。
特に投資テクニックは具体的でわかりやすく、すぐに使えるものが多数掲載されており、 かなり有益だと感じました。
思考法の部分については、割安成長株に特化した思考もありますが、株式投資全般に言えるけっこうあると思いますので、この辺は、まぁ、100のテクニックとするための数合わせ的なものもあるのかなと…。
あとは、読み始めた頃は、日本株に特化していることに若干の違和感(?)がありました。
市場全体で成長している米国のほうが、うまくいくんじゃないかなーと思ったのが理由です。
ただ、個別株の成長性を検討して投資するのって、かなり銘柄単位で「読み込み」が必要になりますので、米国の銘柄だと、やはり言語の問題とか、身近かどうか、市場をきちんと理解しているかなど、色々な不確定要素があり、私もけっきょく、日本株かなぁとなりました(笑)。
ということで、さっそく私も5つのチェックポイントを参照しながら銘柄選定をしてみたいと思います。
^U^
↓よろしければ応援クリックお願いします☆
ひとことポイント
・ぜひとも、日本株でもテンバガーを出してみたいです
コメント