堀江貴文さんの著書『時間革命』から着想を得て、時間にまつわる方法論を展開する「時間革命シリーズ」の第5回です。
本日は「経験が邪魔をするとき」というお題で、何か行動を起こそうと思ったときに、経験の多寡が人の動きを止める3つのパターンを書き記しておきたいと思います。
経験がないから動けない
一つ目は、「経験が少ないので動けない」というパターンです。
第一に「経験が少なすぎること」だ。
「動こうにも不安で動けません」という人は少なくない。
あたりまえだ。
ある程度の見通しなんてものは、動くことでしか得られない。
「これならいける」という手応えが沸き上がるのをじっと待っていても、それはムダというものだ。
(中略)
「健全な見通し」のスタート地点には、いつもまず「経験がある。
ようするに、やってみるかどうかがすべてなのだ。
出典:時間革命
経験が少ないと、動けない、でも動かないと、何もわからない。
この矛盾する部分についての課題に対しては、西野亮廣さんが『革命のファンファーレ 』にて素晴らしいソリューションを提示しています。
簡単に言うと、「人は説明できてしまうことに勇気は必要ない」ので、適切な情報を集めようということです。
経験があるから動けない
私たちが行動を起こそうとしたとき、経験があることが、逆に足かせになることもあります。
というか、そっちの方が多いと、堀江さんは指摘しています。
「経験の少なさ」が動けない原因になっていることは、稀かもしれない。
むしろ、経験したことが多くなるほど、行動を起こせなくなるのが人間というものだろう。
出典:時間革命
堀江さんはまた、中途半端に経験から学んでいる人が、一番悪いパターンであると説きます。
いちばんダメなのは、中途半端に経験から学んでいるやつだ。
「小利口」はいちばん救いようがない。
そういう人は、過去の成功・失敗をもとに「これこれの理屈だから、あえてこうするべきだ」などという捻くれたロジックを弄する。
出典:時間革命
ここからさらに一歩踏み込んでみると、過去の経験から学んでいるパターンには2つあると思います。
1つは失敗した経験から学んだパターン、もう1つは成功した経験から学んだパターンです。
失敗体験がある
失敗した経験があると、人はその失敗を繰り返さないための防衛的な行動を取ります。
これが成長につながるステップであればいいのですが、中途半端に学習により、過度な恐れを生み出すと、その行動は取らない、二度とやらない、という極端な選択肢のみを取るようになってしまいます。
これでは失敗した経験を活かしているとはいいがたいでしょう。
成功体験がある
成功体験もまた、時と場合によっては、成長や行動を止める要因になってしまいます。
成功から中途半端な学習が発生すると、一度成功したことに味をしめて、そこに満足してしまう、いつまでもそれが続くと思ってしまう、という状態に陥りやすくなります。
現状への過度な依存、慢心は、人や企業の成長を止める一番の要因であり、慢心によって衰退していく人や企業の話は枚挙にいとまがありません。
VUCA時代には常に学習のサイクルを回し続ける行動力が必要
変化の激しいVUCA時代に一番必要なのは「常に学習し続ける」というスキルです。
古い成功体験を捨て、時には自分の思考や行動様式も見直す「アンラーニング」の力が求められます。
非合理的な思い込みと呼ばれる「イラショナル・ビリーフ」が身についてしまっている場合は、ABCDE理論を使って思い込みを見直す必要があります。
VUCA時代には常に自分の考えを見直す柔軟さも必要です。
柔軟さを身につけるためには、貼ってははがし、また新しいラベルを貼る「ポストイット思考」が有効です。
何か新しいことを学ぶ際には、コルブの経験学習モデルを活用して、学びのサイクルを意識することも、役に立つでしょう。
経験は適切に消化して、先人たちの知恵を借りながら、学びを深めたいものです。
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ひとことポイント
・行動を起こす際の経験の多寡という課題には、西野さんのアドバイスやアンラーニング、ABCDE理論、ポストイット思考、コルブの経験学習モデルを活用しよう
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