昨日の日経新聞の1面に『「供給網見直し」7割、新常態探る 社長100人アンケート』という記事がありました。
この記事を見ると、どうやら企業はコロナ時代を見すえて、働き方の見直しを検討しているようです。
ではコロナ時代、どういう働き方がスタンダードになっていくのでしょうか。
ということで今回は、コロナ時代の新しい働き方の基準について考察したいと思います。
時事ネタです。
コロナを前提とした働き方の変化
コロナ後の働き方の特徴
黒船のごとく外圧が来ると、慌てて対応しだすのが日本の社会的変化の特徴です。
今回の新型コロナウィルスも、「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」という言葉ができたほどインパクトが大きいので、社会は少しずつ変わるでしょう。
つまり、新型コロナウィルスの前の状態に、完全には戻らないということです。
とりわけ働き方の変化は加速するとみられます。
日経新聞の記事では、アンケートで132社の社長や会長から得た回答をまとめています。
それによると、各社はコロナのリスクを前提として、「ニューノーマル(=新しい通常状態のこと)」を探っており、準備をしている、という結果になっています。
特に働き方の面では以下の3つの特徴が出ているようです。
テレワークは9割が継続
個人的には「『テレワークの継続が9割』って本当か?」と思いますが、一部でもテレワークをするという回答であればカウントされるようなので、こういう数字になったのでしょう。
ただ、今回テレワークにうまく対応できなかった企業も、将来また発生するであろう伝染性疾患のリスクを見すえて、社内の規定や体制の整備をすると思います。
「採用の抑制が必要」2割
採用の抑制は、まぁこういう時期ですから当然あるでしょう。
今までかなり景気の回復基調の時期が長かったですし、世界的にカネ余りの時期が続いたので、企業の存続基準や人の採用基準が緩くなっていましたが、今後は企業の淘汰、人員の淘汰が新陳代謝として起こります。
デジタル分野へ投資増やす
テレワークが増えれば当然、企業内のデジタル化を促進する必要があります。
と同時に、ウィズコロナ、アフターコロナではお客様に対しても、デジタル・チャネルでの対応を迫らることになります。
特に対お客様というところは、一朝一夕にはいかないと思いますが、時代の流れは不可逆的なので、デジタル化への投資を継続的かつ素早くやるべきでしょう。
今、TVを見てもYoutubeを見ても、間に入るCMはテレワーク対応、テレ営業対応のものばかりです(笑)。
時代を先取りしたサービスを提供するのはスタートアップが多いですが、彼らも一気に成長すべく、需要増を見すえて、ここぞとばかりに攻勢をかけているわけです。
ニューノーマルな働き方の基準
ニューノーマルとなったとき、私たちの働き方は具体的にどう変わるのでしょうか。
いくつか基準を考察してみました。
これはそのまま、転職を考えたときの、「働き方」という観点からのチェックポイントでもあります。
在宅勤務OKか
「在宅勤務ができるかできないか」は仕事選びの基準として、今後大きなウエイトを占めそうです。
そもそも日本の通勤は、不毛すぎます。
体力をやたら消費しますし、みなイライラして、朝から気分的にも体力的にも消耗しきってしまいます。
結果、多くの人が少しでも通勤を短くしようするため、都心のマンションが高騰します。
これからは地方に住んで仕事はテレワークという働き方も、選択肢のひとつとして十分ありうる、くらいになってほしいものです。
時差出勤OKか
仮に在宅勤務がダメでも、時差出勤ができれば、通勤のストレスという面ではだいぶ緩和されます。
それでも通勤という、ムダな時間を使っているわけですが、考えようによっては、気分転換、ウォーキング、読書等の時間の確保などにもなっているわけですので、まったくもって価値がないわけではありません。
が、私はリモートワークしたいです(笑)。
副業OKか
在宅勤務すると、通勤時間が空いたり、ムダな作業がなくなったりして、ちょっとした時間ができるわけで、そうすると副業の需要も高まります。
さらに、残業時間がなくなるという影響もあり、収入面でも以前よりマイナスになる方が多くなります。
副業禁止は今の時代、まったく合理的ではありません。
柔軟で幅広いものの見方ができ、社外のネットワークも持つ多様な社員がいてこそ、企業の成長力は高まります。
副業推奨こそが、企業の正しい姿でしょう。
企業側から「あれ、まだ副業してないの?」くらい言える度量になれば、社会は変わります。
専門性追求OKか
社員を企業のゼネラリストにする働き方は、社員の労働マーケットでの生存能力を著しく奪う負の制度です。
RPAがオフィス事務を代替し、大量の人間が人海戦術で大量の書類をさばく働き方は過去の遺物になります。
※RPA:事務処理を自動化するソフトウェア
社員の希望に合わせた配置転換や、専門性を磨くための継続的なキャリアパスの設計が、これからの企業の人事制度には重要です。
いっそのこと、個人のドラフト制とか、全員希望部署異動をしてみてはどうでしょうか。
「そんなことしたら、必要な部署に人が足りなくなるじゃないか」と言われそうですが、そこは需要と供給で、そういう部署の賃金を少し高くするのです。
皆、一律の賃金だから、部署配置で花形部署とそうでない部署に不公平感が出ます。
企業の中でもダイナミック・プライシングにしたらいいと思います。
SNS発信OKか
SNS発信も、企業はどんどん社員に推奨すべきではないでしょうか。
もちろん、会社の社外秘情報をもらしたり、ネガティブな発言を垂れ流しにするのは抑制すべきですが、社員の個性を活かした情報発信は、積極的にやらせるべきです。
ただ、企業が監視していると思うと、社員は委縮しますので、強制もよくありません。
企業発信用アカントを作るか、個人の自由に任せましょう。
週休3日制か
多くの人にとっては、休みは多い方がいいですね。
週休3日制となれば、週4働いて週3休みで、今までの5:2から4:3へ一気にバランスが変わります。
うーん魅力的。
ただ、今の時代、週休何日かはあまり重要ではない気がします。
そもそも成果物と期間が決まっていれば、週にどれくらい働くかは社員自身に任せればいい話です。
ただ、オフィシャルにその社員に話しかけていい日がわからないと周りも困るかもしれないので、制度上は週休3日制とかも必要でしょう。
私はこの日、話しかけても対応しますよが、週4になるわけです。
ハンコNGか
テレワークを阻むものの二大要素は、「紙文化」と「対面会議文化」でしょうか。
紙文化の主要因になっているのは、間違いなくハンコの存在でしょうね。
ただ、ハンコが本当に必要な文書って、どれくらいあるのでしょう。
「確かに本人が認めた」ということを担保する方法など、ちょっと探せば、デジタルでもいくらでもありそうです。
デジタルファーストで考えて、できないことをアナログでやればいいだけです。
とはいえ、完全にアナログがなくなるわけではない
デジタルファーストは大前提ですが、とはいえアナログが完全になくなるわけではないです。
デジタルって結局、効率化の道具なので、効率化よりも重要な意味がアナログにあれば、アナログでやりましょうよ、となるわけです。
富裕層へのきめ細かで専門性の高い営業とか、企業のトップ同士の、セレモニー的な対談とかですね。
今後、アナログはより付加価値をつけることを求められるでしょう。
デジタルが浸透し、やがて対面は贅沢だったと思う日が来ます。
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ひとことポイント
・ニューノーマルな働き方の基準で仕事を探そう
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