『40代からのライフ・シフト』に感じたコレジャナイ感

disappointed 01.ライフ・シフト

本日もようこそ、Uです。

さて今日は書評です。

『40代からのライフシフト 実践ハンドブック―80歳まで現役時代の人生戦略』。

アラフォーの「ライフ・シフト」ブログを書いてるので、触れずにはいられないタイトル。

読みました。

うーん。

けっこう期待していたので、「ガッカリした」というのが正直なところです。

ということで今回は、『40代からのライフシフト』を読んで感じたことを書きます。

今日はだいぶ辛口です(笑)。

『40代からのライフシフト』の概要

ざっくり言うと、この本は、リンダ・グラットンの『ライフ・シフト』を日本の状況にあてはめて説明しようとしたものです。

ライフ・シフトの説明的な部分は少なく、ある程度、本家のライフ・シフトを知っている前提で書いていると思います。

この本ではだいたい、以下の3つのことを記しています。

1.少子高齢化社会を中心とした日本を取り巻く状況の説明

2.ライフ・シフトを実践している人の紹介

3.ライフ・シフトするためのマインドやフレームワークの説明

『40代からのライフシフト』の参考になった点

ライフ・シフトを実践し、活躍している人の例が豊富

この本の特徴でもありますが、とにかくライフ・シフト実践者の事例が豊富です。

おもしろい事例も、中にはあります。

第5章「ライフシフト実践フレームワーク」は実践的で役に立つ

目新しさはあまりないですが、フレームワークを色々とセットにして「箱売り」にしてくれているところは、こういうフレームワークになじみのない読者にとっては、便利だと思います。

『40代からのライフシフト』の参考にならなかった点

一言で言えば、「コレジャナイ感」です(笑)。

シリコンバレーで日々、スタートアップの若い起業家と接したり、ものすごく先を見ている堀江貴文さんや西野亮廣さんの本を読んでいる私からすると、かなり物足りないものがありました。

書いてあるアドバイスも、だいたいが一般的なシニア向けのキャリア・アドバイスです。

よく言えば「シニア向けにまとまった示唆」、悪く言えば「ライフ・シフトという看板につけ替えただけの焼き回し」。

著者が60代の方とのことなので、ムリもないかもしれません。

想定読者はタイトルどおり、40代以上なんでしょうけれども、やはり40歳から60歳までをひとくくりにするのはムリがあるなと。

40代の立場から言わせてもらえば、この本を書いている60代の先生と、今の40代の価値観との間には、かなり大きなギャップがあります。

というか、本文に出てくる文章の主語が「シニアが〜」「シニアの〜」ってなってます。

完全、シニア向けかいっ!

と思ったら、たまに「もちろん30代の方は~」なんて文章もあり、ターゲット層がブレブレ。

この本にタイトルをつけるとしたら、『60代がやっておくべきだったライフ・シフト』かなぁと。

以下、参考までに、疑問に思った点を列挙します。

・シニア向けに、「派遣社員として働く」という選択肢の話をしているが、そもそもマーケットに需要があるのか?

・クラウドソーシングこそ今後伸びる分野なのに、サラッと名前と一文の紹介だけで終わってる。

・ライフ・シフトに出てくる「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」をひとくくりに「変身資産」とまとめてしまい、それを筆者独自の5つのスキルに細分化するという荒技は、ライフ・シフト本家を完全に無視していないか?

・”ソーシャル・ネットワークとは、直接的にビジネスとは関わらない幅広い人脈です”とあるが、ソーシャル・ネットワークにはビジネスで関わる人も含まれるし、LinkedInは完全にビジネスのネットワーク向けですよ。

・テクノロジーやネット系に弱いなと感じる点がチラホラ。

たとえば、「これからは発信力が必要」とうたっているところでは、SNSの活用がほぼ必須の現代ながら、具体例として挙げられているのは「講演の講師」や「社内講師」など、ほぼアナログのもの。

唯一オンラインについて言及があるのは、「オンライン講座での意見の投稿」のみ。

なんか、対象読書像がブレブレです。

ライフ・シフトは、目指すところこそ同じでも、やはり世代によってかなり出発地点が異なるわけです。

そうすると旅のスパンも異なるので、おのずと中継地点も時間軸も異なるわけで、この違いを無視して「一緒くた」はさすがにムリがあります。

ライフ・シフトするために本当に必要な知恵のありか

ライフ・シフトは、向こう何十年の戦略を考える戦いです。

この戦いで必要なのものは、ものすごい長期的、普遍的で根源的な知恵か、はたまたものすごい局地的で時代性があるけれども、かなり先を見た知恵か、どちらかだと思います。

この本で得られるのは、その真ん中の、今ある日常の延長線上の情報です。

60代、ギリギリ50代後半までの人には役立っても、50代前半以下の人には役に立たない気がしています。

「長期的、普遍的で根源的な知恵」を求めるなら、古典やベストセラーを読めばよいと思います。

「局地的で時代性があるけれども、かなり先を見た知恵」を求めるなら、堀江貴文さんや西野亮廣さんのような、時代を作ったり先を見たりする人の本を読めばよいでしょう。

50代後半以降の方は、この本を読んでください。

ターゲット層のあなたなら、意味がある本です。

^U^

ひとことポイント

・「長期的、普遍的で根源的な知恵」か、「局地的で時代性があるけれど、先を見た知恵」を求めよう

↓ 50代後半以降の方だけ向けです

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