FIREを目指す人も必見の『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』

fire and man 01.ライフ・シフト

さあ本日は久しぶりに著書の紹介をしたいと思います。

今回はビル・パーキンスの『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』という本になります。

この本はFIREを志す人にもぜひ一度、目を通してほしいと感じました。

DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)の概要

この本の内容を一言で言えば、そのものずばり「ゼロで死ね」です。

身もフタもない(笑)。

もう少し具体的に言えば、「人生にはものごとを楽しむ最適な期間があるから、なるべく人生のそのときそのときを最大限楽しんで、最後は資産ゼロで死のう」ということでしょうか。

筆者の言葉では、本書の目的はこう書かれています。

ただ生きるだけでなく、十分に生きる。

経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える。

出典:DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

この「ものごとを楽しむための最適な時期」という問題は、FIREを考える方や、老後の資産をせっせと蓄えようとしている方(私も含め)にはとても考えさせられるテーマです。

つまり、若い頃に必死になって節約して、楽しいことを全部パスしてお金を一生懸命蓄えて、いざ老後になって資産を使おうと思っても、もう動く元気や使う意欲がなければ何の意味もない、もっと言えば、死んでしまえば何の意味もないということです。

筆者は貯蓄や老後の備えを軽視しているわけではありません。

ただ、人生を豊かにするために蓄えた資産を使用する「最適な時期」を考えないと、何のために生きているのかわからなくなってしまうということを訴えています。

だから最後はやり残しがないよう「ゼロで死のう」ということを主張しているわけです。

筆者が考える、「ゼロで死ぬ」ための9つのルールが以下です。

「ゼロで死ぬ」ための9つのルール
  • ルール1:「今しかできないこと」に投資する
  • ルール2:一刻も早く経験に金を使う
  • ルール3:ゼロで死ぬ
  • ルール4:人生最後の日を意識する
  • ルール5:子どもには死ぬ「前」に与える
  • ルール6:年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
  • ルール7:やりたいことの「賞味期限」を意識する
  • ルール8:45~60歳に資産を取り崩し始める
  • ルール9:大胆にリスクを取る

「Die with Zero」の秀逸な指摘

『Die with Zero』には含蓄のある考え方や言葉がたくさんあります。

その中でも、特に私が重要だと思ったことをピックアップしてお伝えしたいと思います。

割と前半で重要なことはすべて出てきていると感じました。

タイミングがすべて

本書の中で筆者が最も読者に伝えたいこと、それは、「今しかできないことにお金を使おう」ということです。

以下は筆者の言葉です。

今しかできないことに金を使う。

それこそが、この本で伝えたいことの核だ。

(中略)

金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだ。

金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうことのほうが、はるかに大きな問題ではないだろうか。

(中略)

大切なのは、自分が何をすれば幸せになるのかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ。

出典:DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

筆者は、人生の充実度を高めるコツは、「そのときどきに相応しい経験」をすることだと説きます。

経験にはタイミングが重要です。

物事には「旬の時期」というものがあります。

例えば、スカイダイビングをしたいと思っている人は、それ相応に心と体が若いうちがいいでしょう。

若い頃は遊ぶヒマもなくガムシャラに働いて、年を取ってからいざ「前からやってみたかったスカイダイビングに挑戦しよう」と思っても、体が弱っていたり、そんなことをする意欲すらなくなっていることもありえます。

貧乏旅行もなるべく若いうちにやっておかないと、年を取ってからではムリが利かない、ということもあるでしょう。

子育てのようなライフ・イベントも同じで、最適なタイミングをとらえる必要があります。

というより、ライフ・イベントは、その決まった時期を逃すと、もう二度とできなくなってしまうという性質があるものです。

子どもの3歳の誕生日会は、3歳の誕生日(前後)にしかできません。

小学校の入学式に立ち会うのも、その日にしかできません。

よく定年退職したサラリーマンが、長いことほったらかしにしていた家族関係や友人関係が冷え込んでいて寂しい老後を迎える、なんていう話がありますが、これはまさに、「そのときどきに相応しい経験」 をしてこなかった結果と言えるでしょう。

記憶の配当

筆者は著書の中で、人生の中で最適な時期にお金を使うべきという話をしていますが、その使い道としては特に、モノよりも経験にお金を使うべきだという話をしています。

なぜ経験にお金を使うべきなのか?

その理由の一つは前節で書いたように、人生には「旬の時期」があるから、というものですが、もう一つの理由として、「経験は、その経験を得た瞬間以降も、思い出すたびにずっと喜びが続く」というポイントを挙げています。

それを筆者は、「記憶の配当」という概念で説明しています。

心理学の研究でも、人はモノではなく経験に金を使うほうが幸せになれることを示している。

モノは買った瞬間の喜びは大きいが、次第にその喜びは減っていく。

だが、経験から得る価値は時間の経過とともに高まっていく。

私はこれを、「記憶の配当」と呼んでいる。

節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。

その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。

人生は経験の合計だからだ。

(中略)

時間や金をかけて何かを経験するのは、その瞬間を楽しむためだけではない。

経験は私たちに、尽きることのない「配当」を与えてくれる。

(中略)

あなたも当然、記憶の配当から価値を引き出せる。

だがそのためには、まずは思い出づくりから始めなければならない。

出典:DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

経験は単に、そのとき楽しいだけではない―後から振り返るたびに、思い出とともに喜びがこみ上げる、だから経験を早めにたくさん積んでおく。

なるほど、記憶の配当とは、なかなか面白い指摘です。

筆者は、記憶の配当の福利効果を、友人や家族と一緒に過ごした旅行を題材に説明します。

こんなふうに、元の経験から副次的に生まれる経験は、まさに記憶の配当だと言える。

その経験は、積み重なっていく。

忘れがたい旅を振り返ることで、どれくらい多く、豊かな時間が過ごせただろうか。

繰り返し思い出すことで、元の経験よりも多くの喜びが得られることだってある。

金を払って得られるのは、その経験だけではない。

その経験が残りの人生でもたらす喜び、つまり記憶の配当も含まれているのだ。

特に、経験の思い出を誰かと分かち合うときがそうだ。

自分が経験したことを、誰かに話す。

その経験をネタにして笑い合い、絆を深め、アドバイスする。

すると、そのこと自体が経験になる。

出典:DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

昔話に花が咲く、というと、日本では同窓会がこれに当てはまりますね。

同じ青春時代を過ごした仲間と集まって、過去のエピソードを話しては盛り上がる。

すると一瞬でその頃の色々な感情が沸き上がってきて、至福のひとときになる。

同じ仲間と集まって、いつも同じ話をしているのに、なぜか楽しい。

それを説明する概念が、この記憶の配当ということでしょう。

経験の合計を棒グラフ化する

筆者は思い出作りの大切さを何度も説いていますが、具体的にそれを見える化する方法もあわせて紹介しています。

それが「経験の棒グラフ化」です。

この「経験の棒グラフ化」が、 著書の中で一番具体的なメソッドと言えるでしょう。

人生は経験の合計だ。

あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。

(中略)

だからこそ、この人生でどんな経験をしたいのかを真剣に考え、それを実現させるために計画を立てるべきだ。

「人生は経験の合計」というのは、単なる比喩ではない。

数値をつけることで、実際に経験を合計できる。

さまざまな経験の価値を比較できるようにもなる。

これが人生の充実度を高める大きな一歩になる。

具体的には、各体験から得られる喜びをポイントで表現することから始まる。

(中略)

ある年の経験のポイントをすべて足せば、その年の合計ポイントが得られる。

この数値は棒グラフで表せる。

数値が大きいほど棒は高くなる。

とてもシンプルだ。

(中略)

なかでも重要なのは、「どの年齢で、どれくらい金を稼ぎ、どれくらい楽しい経験に金を費やすか」だ。

これは、アリとキリギリスが直面した仕事と遊びのトレードオフに似ている。

これを自らの意思でコントロールしていくことで、あなたはグラフの棒の高さを変え、人生に満足度を表す曲線の形を変えていけるようになる。

なるほど、言われてみれば至極単純な方法ですが、なかなか興味深いですね。

私は割と見える化や数値化が好きな方なので、これは面白いと思いました。

ただ、思い出にポイントを付ける具体的な基準は記載されていなかったので、そこは自分で考えないといけません。

ですので、どの思い出をどれくらいのポイントにするかは極めて主観的なものにならざるを得ないと思いますが、人生の思い出は本来、極めて主観的なものですから、自分の思うままに付けてよいでしょう。

几帳面な人は毎日、寝る前に一日を振り返ってポイントを付けてもいいでしょうし、大雑把な性格の人は、大きなイベントだけに付けてもいいでしょう。

肝心なのは、最適な時期に楽しい思い出をたくさん作ることですから、見える化はあくまでも手段です。

「Die with Zero」を読んだ感想

ここでは『Die with Zero』を読んだ感想を3点、挙げたいと思います。

今を生きる

老後に備えるのもそこそこに、今を生きることの大切さを感じました。

よく「未来なんて考えるな、今を生きろ」という主張をする堀江貴文さんと似たような部分を感じました。

今の日本って、なんとな~く将来に漠然としたリスク要因が多々あるような気がして、どうしても未来を考えると不安になることもありますが、今、この瞬間を楽しむことも忘れてはいけないと、改めて感じました。

何が自分にとって一番大切なのかを考える

子供がアラフォーでできた私ですが、最近つねづね、子どもに関するライフ・イベントに参加することは、本当に得がたい経験だと感じています。

20代・30代であれば、まだまだ若く、上を目指してガムシャラに働く時期ですので、私も「仕事を優先しないと」と思っていたかもしれません。

ですが、この年になってくると色々と人生の先を考えるようになります。

そんな中でやはり家族の大切さ、ありがたさはヒシヒシと感じており、やはり人生の基盤だなぁと思います。

一度しかない人生を後悔なく生きる

FIREのようなものを考えている私ですが、FIREを目指すあまり、人生を無味乾燥なものにしてはいけないと思いました。

節約をしすぎて味気ない人生を送っては、元も子もありません。

大切なのは、大事なことにお金を使うということ。

特に、そのときそのときにしか得られない経験にお金を惜しみなく使うということ。

これに尽きます。

^U^

ひとことポイント

・アリとキリギリスのハイブリッド型で人生を楽しもう

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