私の価値観にパラダイム・シフトを起こした3つの名著シリーズの第2弾です。
ちなみに第1弾はコチラです。
今回は世界的ベストセラーでもある故スティーブン・R・コヴィーの著した『7つの習慣』で得た気づきと、その後に獲得した概念であるビリーフについての私の体験とともに振り返ってみたいと思います。
『7つの習慣』とは
『7つの習慣』の概要
この本の概要を簡単に言うと、誠意、謙虚、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金律といった、不変の「原則」に基づく優れた人格主義の立場に基づき、成功法則を7つの習慣としてまとめたもの、ということになります。
これは著者のコヴィー博士がアメリカ建国以来発行された約200年分の「成功」にかかわる膨大な文献を調査して発見した、最初の150年分の成功法則を、直近50年の「個人主義」的成功法則へのアンチテーゼとしてまとめたものです。
人格主義に基づく成功習慣は、以下の7つです。
今回のエントリーの主題からは外れてしまいますので、ここでは詳しい中身の紹介は省きますが、テクニカルな付け焼き刃ではない、真の成功法則を体系的にまとめた著書として、偉大な本であることは断言できます。
様々なバージョンがある『7つの習慣』
『7つの習慣』は本としてベストセラーなことと、内容的に汎用性が高く、研修教材としても人気が高いこともあり、様々なバージョンが発売されています。
今、販売している最も基本的なバージョンは、『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』というもので、2013年に出版されたものです。
私は前のオリジナル・バージョンも持っていますし、この『完訳版』も持っています。
そのほかにも、例えば、『マンガ版』であるとか10代向けの『ティーン版』、有名人がメモやハイライトしたものをまとめた『賢者のハイライト版』があり、さらに『7つの習慣』を題材にした『ワークブック』や『手帳』など、様々な派生商品もあります。
『オーディオ・ブック』ももちろんありますから、耳から入るのもありです。
これだけの大著であれば、そこら辺の自己啓発本を何冊も読むよりも、『7つの習慣』を繰り返して読んだ方が学びは大きいと思いますので、おそらく2度買い、3度買いも考慮してシリーズを増やしているのでしょう。
心に強く残ったある一節
この本はどのページを読んでいても、新しい発見や含蓄のある言葉があふれており、正直、メモを取りながら読んでいるとなかなか先に進まない本ですが、特に私のその後の人生観を変えることになった言葉を一つ、紹介します。
刺激と反応の間にはスペースがある。
そのスペースには、私たちが自分の反応を選択する自由と力がある。
そして、その反応こそ、私たちの成長と幸福の鍵を握っている。
出典:7つの習慣
私たちは外界からの刺激に、無思慮に反応する生き物ではなく、そこには自らの意思により選択をする自由がある。
私はこれをのちに、ABC理論とビリーフという考え方だと知ることになるのでした。
私の人生を変えた「ビリーフ」との出会い
『7つの習慣』を読んでからしばらくして、あることがキッカケで、私はコーチングを学習し始めました。
そしてコーチ・エィ アカデミア(当時はコーチ・エィ)が主催している、コーチ・トレーニング・プログラミング(CTP)という、コーチングのトレーニングを受講します。
このトレーニングはすごくよく考えられた画期的なトレーニングで、受講生が日々の実践から得た気づきを持ち寄ってコーチングのクラスに参加して体験をシェアしたり、学びや気づきをシェアしたり、コーチングのロールプレイをやったり、コーチングに必要な概念を学ぶものです。
MBAで取り入れられているケース・スタディのディスカッションに似た、極めて実践的なトレーニングで、素晴らしい学びがありました。
その当時、モジュールという学習の単位が32ありましたが、その中でも、私に強い影響を与えたモジュールが、『行動の背景を知る』と『感情のマネジメント』でした(今は同じプログラム構成ではないようですが)。
この2つのモジュールは、以前のエントリーで取り上げた「ビリーフ」と「ABC理論」を取り扱うものでした。
ここでビリーフとABC理論を簡単におさらいすると、「ビリーフ」とは人が体験と学習によって得た考え方のことで、日本語では信念とか価値観と呼ばれたりします。
「ABC理論」とは、A:Activating event(出来事)とC:Consequence(結果)の間には、その出来事をどう解釈するかというB:Belief(信念)があるという理論です。
そうです、このビリーフとABC理論の考え方は、先ほど取り上げた『7つの習慣』の一節とまさに同じことを言っています。
この概念を明確に定義として知って以降、私はビリーフこそが人生を能動的に生きる上で必須の考え方であると強く信じるようになりました。
はい、この考え方も一つのビリーフ/信念ですね。
『夜と霧』が教えてくれた、環境に左右されない人の意思力
この私の考え方を強くサポートする有名な実体験記があります。
ヴィクトール・E・フランクルが著した『夜と霧』です。
彼はユダヤ人であったため、第2次世界大戦中、かの悪名高いアウシュビッツ収容所に収容されてしまいます。
しかし彼は精神分析学者であったこともあって、自らの環境を客観視しすることができたので、過酷な環境であっても希望を捨てませんでした。
彼は自分の置かれた状況を精神の実験場ととらえることで、想像も及ばぬ苛酷な環境を生き抜き、ついに解放されるのです。
多くの人が絶望のうちに悲しい最後を迎えた環境の中で、それでも人は自分の意思で、どう考えてどう行動するかを選ぶことができる、それを体現したのがこのヴィクトール・E・フランクルです。
私たちは人生の中で、しばし大きな困難に遭遇します。
困難に見舞われた瞬間は、どうしていいかわからない、問題が大きすぎて自分ではどうすることもできない、と感じることもあります。
そういうときは、過酷な収容所で耐え抜いたフランクルのことを思い出すと、勇気が出てくると思います。
刺激と反応の間のスペースを、どうとらえるか。
それを決めるのは、私たち自身なのです。
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ひとことポイント
・どんな環境にあっても、自分の持つ「信念」こそが、自分の行動を決める最大の要素である
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