新型コロナウィルスが長引き、人々の移動制限が継続されるなか、注目されるテクノロジーといえば、やはり何と言ってもVRでしょう。
ただ現状のVRは、数年前には「VR元年だ」とけたたましく喧伝された割には、まだまだ一般的に普及しているとは言い難い状況です。
若い人であれば、一度くらいは「体験」したことはあるかもしれませんが、それが「日常」にはなっていません。
私は2018年に公開されたスピルバーグ監督の映画、「Ready Player One」に魅せられた人間ですので、早くあの世界が来ないかなと心待ちにしています。
そんななか、先日、日経でこんな記事を見つけました。
これはVRの普及に一歩前進したのではないかと、大きな期待が持てます。
ただ、VRには他にも普及を妨げる要因があると思っています。
ということで今回は、「VRテクノロジーの普及を阻む要因」を3点、考察してみたいと思います。
VR酔い
VR酔いは大きな普及の阻害要因です。
VRの最初の体験でVR酔いが発生すると、そのあとトラウマになってしまい、なかなかもう一度に手にしようとは思わなくなってしまいます。
私の知り合いでも、USJにあるスパイダーマンとかハリーポッターのアトラクションでVR酔いして、その後、乗れなくなってしまった人がいます。
まぁ遊園地のアトラクションの場合、VRにプラスして振動とか動きがありますから、これはこれで複合的な要因のような気もしますが。
先ほどの日経に記事には、このVR酔いを解消する基礎的な理論の話が出てきます。
端的にいえば、「映像に対してユーザーが予測する感覚情報を不足なく与える」という方法らしいです。
つまりVR酔いは、人間の脳が感じる映像と認識の違和感が原因なので、映像以外にも音とか振動を映像と同期させて与えると、VR酔いを抑制する効果があるようです。
脳が期待するもの与えてあげる感じでしょうか。
でもこの理論だと、アトラクションでVR酔いする人の解消にはならない気がしますね。
そういう場合は、単なる乗り物酔いということなのでしょうか。
いずれにせよ、VR酔い解消に向けて、さらなる研究を続けてほしいところです。
大きなデバイス(VRゴーグル)
大きなVRゴーグルが必須の現状では、VRの普及は難しいでしょう。
アーリーアダプターくらいまでならデバイスが大きくても飛びつくでしょうが、それ以上の層への普及となると、日常に馴染むくらいの、つまりメガネをかけるのと同じくらいのフィット感にならないと、これ以上VRは普及しない気がします。
ということで、VRゴーグルの軽量化と小型化は必須です。
今のゴーグルはつけ続けていると、顔にマスク痕(あと)ができます。
長いことつけていると、けっこうシンドイです。
私は地図好きなので、地図アプリでVRプチ旅行するのが好きですが、やはり段々とゴーグルが重く感じてきて、疲れてしまいます。
最終的にはコンタクトレンズくらいの大きさ、軽さ、装着感にならないかなぁ、なんて期待したりしています。
乏しいコンテンツの「量」と「質」
3つ目の理由は、コンテンツの不足です。
コンテンツには主に2つの不足感があり、1つは「量」、もうひとうは「質」です。
私が個人的に感じることは、VRの世界にはコンテンツの絶対数がまだまだ足りない気がします。
というか、どれも似たり寄ったりだったりするので、あまりラインナップに豊富さを感じません。
一番多いのは、一人称視点のアクションゲームですが、キャラクター商品に頼っていたり、話の展開に乏しかったりする気がします。
やはりVRの特性を活かすとなると、ある程度似通ってしまうのは仕方のないことなのかもしれませんが、もう少しバラエティが欲しいところです。
もう一つはコンテンツの質です。
ハードウェア製品がヒットするためには、その機能を十二分に活かしたソフトウェアが欠かせません。
中でも「キラーコンテンツ」と呼ばれる、ハードウェア製品の爆発的普及に貢献するコンテンツが必要です。
家庭用ゲーム機の歴史を紐解けば、ゲーム機の普及とキラーコンテンツのシナジーを説明する事例は枚挙にいとまがないでしょう。
Wiiの「Wiiフィットネス」や、スイッチの「ゼルダの伝説」や最近だと「あつまれ どうぶつの森」など、そのゲーム(ソフトウェア)をやりたいからゲーム機(ハードウェア)を買うというインセンティブになるようなキラーコンテンツが必要です。
この課題は、VRの開発プラットフォームが普及すれば、自然と解消されていく気がします。
あとは、ハードウェア側のVRセット(ゴーグル+コントローラーなど)でできることの範囲が増えれば、さらにソフトウェア側も魅力的なコンテンツを作ることができるでしょう。
VRよ、もっとがんばれ!
^U^
ひとことポイント
・ゴーグル、もっと軽くなってくれ
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