2020年という年は、10年に1度しかないアメリカの国勢調査の年です。
今年は大統領選挙もありますが、そちらはアメリカ国籍がないと投票できないため(永住権者も投票できません)、私は投票できません。
一方で国勢調査は居住者であれば回答する「義務」があるため、私も回答できます。
ということで今回は、アメリカの国勢調査2020に回答したので、これについて書き記しておきたいと思います。
アメリカ国勢調査とは
それではアメリカの国勢調査について、その特徴を見てましょう。
アメリカ合衆国憲法によって実施が義務付けられている
アメリカの国勢調査は、アメリカ合衆国憲法に基づき実施されています。
同法第1条第2項により、アメリカ合衆国は10年に1度、人口を数える義務があります。
やらないとダメだよ、と憲法で決まっているので、やらないと憲法違反になります。
そのため、その実行力を担保するために、回答者側にも回答をしなかった場合や拒否した場合の罰則規定を設けています。
第1回の国勢調査が行われたのは、1790年のことなので、1776年に建国されてすぐに開始されていますね。
日本語で回答できる
移民大国アメリカに住む人たちへの調査ですので、多言語対応がけっこうされています。
今回の国勢調査は、英語のほか、12言語(スペイン語、中国語、ベトナム語、韓国語、ロシア語、アラビア語、タガログ語、ポーランド語、フランス語、ハイチクレオール語、ポルトガル語、日本語)での回答が可能となっています。
私も日本語で回答しました。
アメリカは法律で英語を公用語と規定してはいないので、そこそこの話者がいる言語には対応するのでしょう。
最も、日本も日本語を公用語として明確に法律で定めていませんが。
回答方法は複数の選択肢がある
調査への回答方法は、郵送された質問紙への回答のほか、オンラインでの回答、電話での回答が可能です。
さらに質問になかなか回答しないと、調査員による戸別訪問があるようです。
また回答に瑕疵がある場合も、調査員から電話または訪問を受ける可能性があるとのこと。
ちなみに、2010年の国勢調査は、オンラインでの回答がなかったとか。
え、アメリカで2010年にオンラインでの回答がない?
ちょっとびっくりです。
ちなみに私は今回、オンラインで回答しました。
集計に膨大な時間と予算が割かれる
国勢調査は毎回、膨大な予算が当てられます。
「国勢調査に回答してください」という依頼のキャンペーンから実際の郵送業務から回答の催促から戸別訪問から集計から、とにかく多民族かつ広大な国土に渡る3億人以上の人の調査を取りまとめるわけですから、その労力たるや、並大抵ではないのでしょう。
集計結果は項目によりまちまちですが、だいたい翌年に公表されるようです。
前回と違い、今年はオンラインでの回答が導入されたため、少し早くなるのかと期待されましたが、新型コロナウィルスの関係で回答期限が延びているので、やはり翌年以降になるでしょう。
国の統計を知るうえで最も重要な国勢調査には、膨大な予算と膨大な時間がかけられるのです。
議席や公共政策の重要な情報源となる
国勢調査の結果は、毎年、病院、消防署、学校、道路などの建設で何十億ドルも投入される連邦予算に影響します。
また国勢調査の結果は、議会に占める各州の議員定数を割り当てる際の根拠となるため、議員定数が決まっているアメリカの下院では、これにより州ごとの議席の増減が発生します。
下院議員の数の増加により、人口が増加している州の力が大きくなるわけなので、その州の議員数を総取りする方式である大統領選挙に大きく影響するのです。
アメリカ国勢調査の質問項目
それではアメリカ国勢調査2020の質問項目を見てましょう。
さすがアメリカ、質問はいたってシンプルで、人口統計を出すためだけのものに絞られています。
気合を入れて回答しようと始めても、あっという間に終わってしまう感じです。
性別についてはちょっと意外でしたが、LGBTやマイノリティへの配慮が先行するアメリカなので、選択肢が数種類あるのかと思っていましたが、「男性 or 女性」のいたってシンプルな選択肢しかありませんでした。
今後、社会の要請に合わせて変わっていくことはあるのでしょうかね。
特徴的なのは人種に関する質問が細かい点です。
No.05でわざわざヒスパニック系かどうかを訊いてきたあとに、改めて人種は何かを訊かれます。
白人はドイツ系やアイルランド系など、黒人はアフリカ系、ジャマイカ系など、アメリカ原住民は何族かまで訊かれます。
アジア人も系統が結構豊富で、私の所属する「日系/日本人」もありました。
なるほど、人種別の統計値を取ることが重要なのがアメリカ国勢調査の大きな特徴だなぁ、と実感しました。
なお、この質問項目の前に、「あなたは4月1日時点で、該当の住所に住んでいましたが?」という質問があり、住んでいなかったと回答すると、その時点で調査は終了となります。
日本の国勢調査との違い
日本も国勢調査を5年毎に実施しており、年数の末尾の桁が0の年と5の年は国勢調査の年です。
つまり今年は国勢調査の年ですね。
なんでも今年で21回目の調査になり、100周年なんだとか。
日本の国勢調査の概要は以下のとおりです。
日本の国勢調査における在住基準日は10月1日ですので、アメリカと半年違いですね。
アメリカと違い、回答方法には電話がありません。
日本における国勢調査の質問項目を見てましょう。
日本の国勢調査は、世帯員に関する事項(15項目)と世帯に関する事項(4項目)について、16の質問項目で確認することになっています。
途中まではアメリカの国勢調査と似たような感じですが、中盤の教育状況や就業状況、通勤・通学手段を確認するところは異なりますね。
より、在住者の就労・就学の実態まで踏み込んで確認しようとしている印象です。
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ということで、今回はアメリカ国勢調査と日本の国勢調査を比較してみました~。
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ひとことポイント
・国勢調査にはお国柄が出るね
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