堀江貴文さんの著書『時間革命』の項目を深掘りして、学びを深めるシリーズ連載の第二回目です。
ということで今回は、「物事をシンプルに考えられることの強さ」について書き記しておきたいと思います。
物事を複雑にしたがる「仕事のできない人」
日々の仕事をする中で、色々な人と議論をしていると、物事をすごく的確に、シンプルな言葉で言い表せる人と、そうでない人がいると感じます。
たとえば、コンサルタントという職種でも、頭のいいコンサルタントは、ものすごくシンプルな言葉と図で、物事を説明できます。
対して仕事のできないコンサルタントは、やたらと理論やら仮説やらを張り合わせて、さも世の中は複雑だと言わんばかりにゴチャゴチャした資料を得意気に用意してきて、ゴチャゴチャをゴチャゴチャのまま説明してきたりします。
世界は複雑だからと言って、それを複雑なまま置くのは簡単で、誰にでもできます。
わざわざコンサルタントを雇う意味がありません。
本当に頭のいい人は物事をシンプルにできる
『時間革命』にて堀江さんが「シンプルに考えること」について言及している箇所を見てみましょう。
実際のところ、物事なんて複雑に考えるほうがラクなのだ。
世の中はいくらでも複雑に考えられる。
それなりに頭がよければ、もっともらしい理屈をつけて、いつまでも考えを引き延ばしてられるから気楽なもんだ。
むしろ、シンプルに考えるほうが、一定の「勇気」や「エネルギー」が必要になる。
出典:時間革命
堀江さんは、シンプルに考えることには、物事の不要だと思う部分を切り捨てるための「勇気」や「エネルギー」のいる行為だと指摘しています。
「オッカムの剃刀」という言葉があります。
「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針のことで、もともとスコラ哲学にあり、14世紀の哲学者・神学者のオッカムが多用したことで有名になった言葉です(Wikipediaより)。
この「オッカムの剃刀」は、同じ事象を説明するなら、より少ない仮定で話す方が優れている、ということを言っています。
本当に頭のいい人は物事の本質を見抜き、無駄を省いた形にできます。
つまりモデリングができるということです。
世の中の法則は、すべからく余計なものをそぎ落としたモデルでできています。
世の偉人たちが英知を絞ってモデルを発見したからこそ、今日の文明があるわけです。
物事の必要最小な構成要素は何かを見極めて、贅肉のない輪郭を浮かび上がらせる。
私の中のイメージ的には美しいミケランジェロの彫刻「ダビデ像」に似ています。
物事をシンプルにするポイントは、何を説明したいのかを決めること
複雑な世の中をシンプルな言葉や図、モデルで説明するためには、ある特定の切り口で、世の中を切り取る必要があります。
この切り取り方、切れ味こそ、頭の使いどころ、言うなれば、切り取る人の個性になるわけです。
ポイントは、何を説明するかを明確にすることです。
そうすれば、何が必要で、何が要らないのかがわかり、思いきった切り取りができます。
世の中にあるモデルは、余計なものをそぎ落としている関係上、世の中のすべてを説明できているわけではありません。
優れたモデルも使い方を誤れば、議論はおかしな方向に行ってしまいます。
だからこそ、何のために何を抽出して説明するためのものかを明確にして、用途に合ったモデルを作成、使用する必要があるわけです。
シンプルに、本質を見極めよう。
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ひとことポイント
・誰かとコミュニケーションをとる際は、言いたいことの本質に沿ったモデルを形成しよう
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