夏ですね、暑いですね、FIREですね。
そう、FIREです。
昨日のエントリーに引き続き、FIRE関連の投稿です。
『FIRE 最速で経済的自立を実現する方法』というFIRE本を読みましたので、これについてまとめておきたいと思います。
この本の特徴4つ

ここでは『FIRE 最速で経済的自立を実現する方法』の特徴を4つにまとめました。
500ページの大著ながら、読みやすい
この本は私が読んだFIRE本3冊の中で、最もボリュームがある本です。
本に振ってあるページ番号ではキッカリ500ページ、Amazonのデータ上では504ページとなっており、以前ご紹介したFIRE本2冊はそれぞれAmazonでは304ページと272ページですので、かなりボリューミーです。
この本は、FIREの基本3原則である①収入の増加、②支出の減少、③投資の継続のどれもカバーしており、その分、ボリュームが膨らんでいるものと思われます。
そして、翻訳本ながら、文章は軽快で読みやすいです。
それほど深い読み方をしなければ500ページでもけっこうサッと読める内容に仕上がっています。
また、各項目ごとに詳細なステップや著者と友人の事例、章ごとのまとめが載っており、理解しやすくかつ実践しやすい内容になっています。
支出の減少よりも収入の増加に力点を置いている
この本の大きな特徴は、支出の減少よりも収入の増加に力点を置いている点です。
私が読んだ他の2つのFIRE本は、節約にかなり力点を置いていたと感じましたが、この本は、収入の増加を、FIRE達成のメイン戦略として推しています。
ほとんどのパーソナル・ファイナンスのアドバイスが抱える問題点は、主にふたつの変数に重点を置いていることにある。
貯蓄を増やすために、いかに支出を減らすかだ。
ただ、支出を切り詰めるには限度がある。
(中略)
いち早く富を築くためには、3つのてこすべての潜在力を最大限発揮する必要があるのだ。
収入を増やしながら支出を減らすことによって、より多くのお金を貯蓄/投資できる。
そうすることで、貯蓄率も上がっていくのだ。
収入を増やすことと支出を減らすこと、これらはふたつの車の両輪だが、経済的自由にいち早くたどり着くためには、収入を増やす方が支出を切り詰めるよりも影響力が大きい。
出典:FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
引用文の最後の一文に、「収入を増やすこと」が一番効果が高いという著者の主張が明確に表れています。
本業をいかに効率的にこなすか(作者はハックという言葉を頻繁に使う)、どういう副業をどれくらいやるかなど、収入を上げるための方法論について、かなりの紙面を割いているのが、この本の大きな特徴です。
投資戦略としては「インデックスファンド」と「不動産投資」を推している
著者は、推奨する投資先として「インデックスファンド」と「不動産投資」を挙げています。
税優遇制度の活用やローンを組み合わせることによって、節税効果が高いというのがメリットとして挙げられています。
(次の項目の理由により、ここでの詳述を省きます。)
アメリカを前提にしている
海外のFIRE本なので当然と言えば当然ですが、この本の内容は、著者の住むアメリカでの投資であることを前提としています。
具体的には、アメリカのサービスや社会保険、インフレ率、税制度、税優遇制度などです。
これらの前提のもとに書かれていますので、日本人には参考レベルにしかならない項目も少なからずあります。
この点が前回ご紹介した、日本人でFIREを達成した三菱サラリーマンさんの本との大きな違いになってきます。
エンタープライズ・マインドを身につけよ

前述のとおり、著者はFIRE達成の手段として「収入を増やすこと」にかなり力点をおいています。
そのためには、「エンタープライズ・マインド」を身につけることが重要だと説いています。
彼らは可能な限り多くの手段を利用して、お金を稼いで(そして貯めて)いるのだ。
企業がお金を稼ぎ、貯め、増やすやり方と非常に似ているため、私はこうした考え方をエンタープライズ・マインドと名付けた。
お金持ちは大半の人とは違い、お金を最大限生かす必要のある限られた資源とは見ていない。
いかなる目的にも使える、代替可能なツールと見ているのだ。
彼らはお金を稼ぐあらゆる機会を利用し、可能な限り多くのやり方—支出を切り詰める、手数料や価格を最適化する、税金をできるだけ抑える、複数の収入源を育てる、そのほか目についたあらゆる手段—で富を築く。
自分の1時間単位、1分単位の稼ぎを最大化することに焦点を合わせているのだ。
出典:FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
著者はお金を稼ぐためには、①フルタイム雇用、②副業、③起業、④投資の4つの収入源を組み合わせて、最大限に活用すべきと説きます。
著者は、副業をする上でのポイントを6つ挙げているので、ここでご紹介します。
この条件にすべて合致した仕事を探すのは難しそうですが、4つや5つであれば見つかりそうです。
これからの時代、副業はスタンダードな稼ぎ方になるでしょうから、早めに準備をして取り掛かりたいところです。
FIREに使えるリスト3選

ここでは、著書の中から私が「これはいいな」と思ったリストを3つご紹介します。
経済的自由の7つの段階
一つ目が、経済的自由の7つの段階です。
著者も本の中で言及している点として、レベル5くらいまでなら数年で達成可能ですが、レベル6からはかなりの年月を要します。
まずはレベル5を目指し、達成感を十分に味わうのがいいでしょう。
私も、まだレベル4です。
買うものを決めるときの11の問い
二つ目は、買うものを決めるときに自問すべき11の問いです。
毎回、何を買うときでも11の問いをやっていたら相当シンドイと思いますので、ある程度の金額を決めて、その金額を超えるものに対して、この問いでチェックするのも手だと思います。
ただ、日々のちょっとしたムダ遣いが多い人は、そうした日常の出費を記録しておき、どこかのタイミングでこの11の問いを使って一項目ずつ、ムダではないか確認するのも手でしょう。
資産管理の見直し用To Do
三つ目は、経済的自由を達成するための見直し用To Do表です。
頻度 | 想定時間 | To Do項目 |
毎日 | 5分 | ・アプリを使って自分の純資産を確認する。 ・少なくとも毎日5ドルを口座に入れる。 ・今日いかにして50ドル稼ぐか、戦略を練る。 ・ここ数日間、何にいくら使ったのかを振り返る。 モノを買ったときにどう感じたか、いまどう感じているか? 満足している買い物とそうでない買い物からお金の使い方を学ぶ。 |
毎週 | 10分 | ・副収入と不労所得(例えば、投資収益、ホームページからの収入、家賃収入、副業の収入など)を確認する。 ・ご請求がないか、前の週のクレジットカードの明細を確認する。 ・仕事相手などからお金がきちんと振り込まれているか確認する。 |
毎月 | 1時間 | ・毎月の貯蓄実績を見直す(ドルとパーセンテージで)。 ・貯蓄率を少なくとも1%引き上げる。 ・副収入と不労所得を確認する。 ・毎月の請求金額を支払う。 ・プライベートとビジネスのキャッシュフローを分析する。 ・翌月と年末までのキャッシュフローを予測したスプレッドシートを見直す。 |
毎四半期 | 1時間 | ・あなたの数字への進捗状況を確認し、数字を改めて分析し直す。 ・アセットアロケーションの目安を確認し、必要であればリバランシングを行う。 ・それぞれの収入源と総収入に対するあなたの実質時給を計算し直し、スプレッドシートに書き込む。 ・無料サービスを使って、自分のクレジットカードスコアを確認する―見覚えのない借金がないか、返済が間違って遅延や滞納扱いされていないかなど、おかしな点を探す。 ・副収入と不労所得を確認する。 ・プライベートとビジネスのキャッシュフローを分析する。 ・キャッシュフロー予測を見直す。 |
毎年 | 3時間 | ・自動処理している投資と支払いを見直す。 ・税コストを最適化し、最小限に抑えるための準備をする。 ・翌年のキャッシュフローを予測し、過去1年の予測を分析する。 ・雑誌の定期購読、ストリーミングサービスのサブスクリプション、会員になっているものを見直す。 ・正しいことに時間とお金を使っているかどうか、その年の戦略を見直す。 |
表の中に出てくる通貨のドルは円(100円)と置き換えていいと思います。
最初はシンドイと思いますが、一度習慣化してしまえば、やらないと気持ち悪いという気になってくると思います。
千里の道も一歩からです。
FIREを目指して、がんばろう!
^U^
ひとことポイント
・収入を増やすこともFIREにとって大事な戦略である
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