『スキルペディア』で得た気づき3選

three darts arrows 06.自己啓発

前回のエントリーでもご紹介した『スキルペディア』は、色々と深い学びを得られる良書です。

今回は、豊富な示唆に富むスキルペディアの中でも、特に私にとっての気づきとなった項目について書き記しておきたいと思います。

「思考ツール」は考えるためのものではなく、考える手間を省くためのもの

1つ目の気づきは、中核能力の一つである「考える力」の項にある記述からです。

昨今は思考法や思考ツールの習得が盛んです。

しかし、それらは思考を手助けする一要素でしかありません。

思考フレームの空欄をうまく埋めることで何かを考えたような気になっていますが、それは簡便に答えが出せただけのことで、本当に質のよい思考になっているかどうか疑わしいものです。

そんな状況にあって、評論家の小林秀雄が喝破した下の言葉は傾聴に値します。

「能率的に考える事が、合理的に考える事だと思い違いをしているように思われるからだ。

当人は考えている積りだが、実は考える手間を省いている。」

出典:スキルペディア

つまり筆者は、思考ツールは考えるためのものではなく、考える「手間を省く」ためのものであるということを、指摘しています。

これは私にとって、目から鱗の気づきでした。

思考ツールで整理したりフレームワークを使って考えたつもりになっていても、実はそれは、自分で考えるというプロセスを、先人に肩代わりしてもらっているだけだったということを悟りました。

私は、ビジネスや自分のやりたいことを進めるために思考ツールやフレームワークを使うことは全然問題ないと思っています。

だってそれは目的を達成するための手段ですから。

ただ、考えた気になって問題の本質を見失ったり、無理にツールやフレームワークを当てはめようとして、誤った方向に整理してしまうのは元も子もないなと感じました。

思考ツールやフレームワークはあくまで道具として、問題の本質を考えるときは、やはりきちんと問題と向き合ってうんうんとうなるというプロセスも必要そうです。

なんなら、自分で新たなフレームワークを作り出すくらいの発想の転換が求めれる気がしました。

「言う力」を養う「書く力」

2つ目の気づきは、「中核能力」の一つである「言う力」の項にある記述からです。

(略)「言う」ことは即応的な行為であり、「自分のような凡人はとっさに実りのあることなんて言えないよ。ましてや重みのある言葉などはっせない」と思うかもしれません。

では、どうすればよいでしょう。

(中略)

根本的解決――それは「書く」ことです。

「書く」ことを重ねることによって、自分の中に施行が構築されていきます。

その過程で自然と深くへもぐっていきます。

書くことが習慣になっている人は、普段から自分の思考が構造化され、言語化されているので、何らかの流れで意見を求められたときに、すっと「言う」ことができるわけです。

出典:スキルペディア

言う力は根っこのところでは書く力とつながっており、書くことを通じて言うことも上手になる、ということでしょう。

確かに、思考をアウトプットするという意味では、言う力と書く力には共通項があります。

両者の違いは即応性であり、言う力はとっさの判断力や要約力も必要ですが、書く力であれば、十分に時間を取って思考をまとめることができます。

この考え方は、私も自分自身の経験を通じて理解しているので、賛成です。

毎日ブログを書いていると、ある時、ブログの記事に近い話題になった際、すぐに自分の考えを言えるようになります。

また、思考の経験値も溜まってくるので、まったく新しい話題でも、どう考えるかのプロセスを、割と早めに見つけることができたりもします。

アウトプットは経験値が大切、ただしやり方は問わない」ということでしょう。

問題は「具体」次元の認識、課題は「抽象」次元の認識

次の文章は、発展能力の一つである「課題発見力」の項にある記述です。

問題に気づくためには、物事に対し、視野を広げ、関心をもってながめる目が必要です。

これは具体次元の観察なので比較的易しいといえます。

他方、課題を見出すためには、物事に対し、独自の角度を入れてながめ、取り組むべき方向が浮き立つように切り取る目が必要です。

これは一種の抽象化であり難しいことです。

しかしこの問題を課題に押し上げることこそ大事な力です。

出典:スキルペディア

なぁるほど。

目の前にある具体的な困りごとが「問題」で、そこから導き出される抽象的な「できていないこと」が「課題」であるということですね。

これは、問題の「根本原因」は何かという問いの答えを、筆者が「課題」と言葉として置いたということでしょう。

問題からいきなり解決策を導き出すと、それは単なる付け焼き刃的対応にしかなりません。

そこは一旦、「課題」として根本原因を抽象化して求め、それに対する施策を打つ必要があるということです。

コーヒー豆そのものは食べると苦いですが、コーヒー豆から抽出された液体が美味しいコーヒーになるようなイメージでしょうか。

「問題」は「課題」として一旦、抽象化する
  • 「問題→施策」は付け焼き刃的になる
  • 「問題→課題→施策」が本筋

私もSEをやっていたころは、障害が発生した際、問題に対する「暫定対応」と「恒久対応」に分けて報告書を書いていたので、この話も腑に落ちました。

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今回は私が最も目から鱗なポイントを3つご紹介しましたが、まだまだ学びのポイントはいっぱいあります。

深いところをわかりやすい言葉とシンプルなイラストで解説していますので、皆さまもぜひ一度、ご覧くださいませ。

^U^

ひとことポイント

・スキルペディアは目から鱗の宝庫だよ

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