つい最近、『人材育成コンサルタントが本気で考えた 全員転職時代のポータブルスキル大全』という本を読みました。
この本は、会社が業界が変わってもすぐに使える「ポータブルスキル」を104個、紹介しているもので、転職について考える際の自分の強みの整理に使えそうだなと思って購入してみました。
あと、自分の知らないスキルも含めて網羅的に眺めるのに便利だろうなと思ったのも購入した理由の一つです。
この本の紹介が今回のお話のメイントピックではないので、ざっと収録スキルを分類レベルで紹介すると以下のような感じです。
その中でも「時間管理」編にある「悩む→考える」切り替え術というのが一番参考になったので、今回は、これについてお話をしたいと思います。
「悩む」とはなにか
『ポータブルスキル大全』は「悩む」について、「考える」との比較で記述してありました。
「悩む」とは、仮説が描けないことで思考が停止している状態。
「考える」とは、何らかの仮説を持って、その検証に向けて行動している状態だ。
「悩む」は「変えられないこと」、たとえば他人のことや、過去のこと、わからないことにとらわれるのに対し、「考える」は「変えられること」、たとえば自分の行動や、未来のこと、わかっていることに頭を使っている傾向にある。
(中略)
「悩む」から「考える」に切り替えるには、とにかく「仮説」を立てるのに全力を尽くすことだ。
ビジネス書ですので、やや目標達成の技術に特化した記述になっていることは否めませんが、「悩む」と「考える」の違いがなんとなく見えてきます。
つまり、「悩む」の対象は「自分では変えられないこと」だから、どうしていいかわからず、悩んでいるということですね。
悩みから脱するための4つのステップ
どうやら「悩む」から脱するためには、なんとかして「考える」のフォーマットに持っていけばいいようです。
『ポータブルスキル大全』の著者はそれを「仮説を立てる」という風に表現しました。
私はもう少し詳細なステップで「悩む」から脱出する手立てを考察してみたいと思います。
ということで、以下4つのステップにしてみました。
なお、全てのステップにおいて重要なことは、「自分で変えられること」に焦点を当てることです。
「私が~する」のように、自分を常に主語にすればよいと思います。
論点を明確にする
まずはじめにすることは、論点を明確にすることです。
「もやもや」から一刻も早く脱出するためには、もやもやの原因を正確に特定する必要があります。
自分が一体、何に悩んでいるのかを割り出すのが1つめのステップです。
ゴールを明確にする
もやもやの原因がわかったら、次はゴールを設定することです。
どうなったら、その悩みがなくなるのか、自分がどうしたいかを明確にします。
選択肢を明確にする
ゴールの設定ができたら、次は、取りうる選択肢を検討することです。
選択肢にはそれぞれ一長一短あるでしょうから、それらのメリット・デメリットも明確にしながら複数のプランを考えます。
「やるか、やらないか」のような2元論的なケースでも、実は第3のオプションがあったりすることもありえますので、視野が狭くなり過ぎないようにしながら考えを巡らせて、3つくらいの選択肢を出すことが理想です。
自分の価値観を基準に判断する
そして最後のステップは、自分の価値観を基準にして判断することです。
突き詰めれば、これが一番重要です。
究極的には、自分の価値観同士のぶつかり合いで、価値観の優先順位づけになることもあると思います。
自分が最も大切にするもの、それはバリュー(価値)とかプリンシプル(原理原則)とかミッション(使命)とも言いあらわせそうですが、そういったものを明確にして判断しましょう。
最後は、できないことを割り切ることも必要
「悩む」という言葉は非常に広く深い概念な気がしますので、ここで挙げたやり方でも解けない悩みはありそうです。
人間ですから、過去に起こった出来事について、いつまでも考えてしまうことなどもあります。
そういう時は、もう「悩む」ことを悩まない方がいいでしょう。
「もう、私にはどうしようもない」とあきらめるのです。
一旦、あきらめたうえで、「まぁそういうもんだよね」と思うことができれば、割とスッキリしますし、早めに周りにヘルプをお願いできます。
解決できそうな悩みは解決しましょう。
解決できない悩みは割り切ってそっとしておきましょう。
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ひとことポイント
・「悩む」原因を明確化して解決を試みるが、難しければ「ムリ」と割り切ってしまおう
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