本日もようこそ、Uです。
昨日の日経に、おもしろい記事が載っていました。
「おお、ついにロボットで遠隔から買い物をする時代が来たか!」とひとり感心。
私は本屋が好きで、でも最近はなかなかゆっくりと訪れることができず、遠隔でフラッと立ち寄ることができればなぁと思っていた矢先だったので、記事を見つけたときはかなり興奮しました。
ただ、記事を見るかぎり、まだまだ遠隔での買い物には課題が多いように感じられます。
ということで今回は、「遠隔操作での本屋の可能性」について考察したいと思います。
また別の媒体に、本屋以外にもアパレルを回った記事があり、この記事は、日経を購読していなくても見られます。
私はあまり興味がないのでアパレルの方は飛ばします(笑)。
記事の内容
今回の日経の記事にある「遠隔操作を使って本屋でショッピング体験」を要約すると以下のようなものです。
私の率直の感想としては、これはこれで「遠隔接客」として、大きな一歩には違いないですが、まだまだ実証実験の域を出ていないかなぁと。
現時点では課題が多く、ユーザーにとって利便性よりストレスの方が大きそうです。
「遠隔接客」の現時点のデメリット
人がついている必要がある
これ、ものすごく経費がかかると思います。
ロボ1台導入にもけっこうな経費がかかりそうですが、加えて人が常時はりついている必要があるとなると、人件費のランニングコストも、ロボを導入すればするほどかかります。
ロボって普通、人間の代替として導入されたりしますが、これはロボと人が同じ数だけ投入されるという、経営側からするとけっこう大変なソリューションです。
本を自分でめくれず、コンシェルジュの知識に依存する
今回のロボの役割は、あくまでも本屋内の回遊とのことですので、本をロボが手に取って自分の思うままにペラペラめくるということができない仕組みです。
回遊していて気になる本があれば、コンシェルジュにそれを伝えて、コンシェルジュが内容の解説をするとのこと。
最後はコンシェルジュの知識勝負ということで、コンシェルジュの力量によりサービスの質が変わってきそうです。
なんか悪い気がしてプレッシャーがかかる
普段、店員さんに頼って本屋を徘徊したことがないので想像ですが、常にコンシェルジュがいて本を選ぶとなると、「せっかく付き合ってもらったので何か買わないと」という無用のプレッシャーがかかる気がします。
店員さんもあまり知らない本のことを聞いてきまずかったり、何冊も何冊も選びなおして悪い気がしたりと、余計な心理的ストレスがかかると思うので、気を遣っちゃう人には向いてないのかなと思ってしまいました。
「遠隔接客」に実装してほしいもの
ということで、デメリットをなくすために必要な機能2つです。
自分だけで動きまわれる
やはり本屋の中を、自分で好きなように動き回りたいです。
現時点では、安全面での意味も込めて、人が一緒ついてきているのだと思います。
本を選ぶというのは、ある種、その人の思考や信条など、けっこうセンシティブなところに触れる行為です。
他人と一緒に回るとなると、自分の趣味・趣向をその人にさらすわけで、それって必ずしも気持ちのいいことではないと思います。
自分一人で動き回ることは、自分の心理的安全性を担保するうえで、必須でしょう。
ページをめくって中身を確認できる
せっかく本屋にいるのに、自分で本も取れないし、ページもめくれないのでは、本屋にいる意味がないでしょう。
これができないのはかなり致命的だと思います。
自分の感覚でペラペラとめくって、少し内容を確認して、面白そうだな、と感じるプロセスこそ、本屋で本を選ぶ醍醐味です。
けっこう積読派(笑)な私には、この購買にいたるプロセスがとても楽しい体験ですので、これができないのは、かなりツライです。
「本屋を遠隔で自由に回遊する」ための解決策2つ
「自分だけで動きまわれる」と「ページをめくって中身を確認できる」が実装されると、家で寝転んで、何時間でも楽な姿勢で本を立ち読みしまくることができてしまいます。
このままでは、お店側にあまりメリットがなく、現実的ではありません。
ということで解決策を2つ、考えてみました。
有料にしてしまう
これは有料でロボット遠隔操作での立ち読みをするという案です。
前提条件として、上に書いた『遠隔接客」に実装してほしいもの』が実現されている必要があります。
30分、300円とかで本屋の中で好きなものを好きなだけ、おウチからゆっくり本を探したり見ることができます。
欲しければ買うこともできますが、その場で読んでしまうこともできます。
このケースの場合は、ロボットが数台〜十数台動く、ロボット専用の本屋を作った方が効率的でしょう。
どう動くか予測が難しい人の回避という課題を捨てられるので、あとはロボットを全体で制御する管理機能があれば、ロボット同士の衝突も回避できます。
本棚の配置なども、ロボットが動きやすいようにレイアウトを整えればできそうな気がします。
バーチャルにしてしまう
本の確認も含め、バーチャル本屋を作ります。
VRゴーグルとかで仮想現実の本屋を訪れるわけです。
物理的制限がないので、いくらでも本屋を大きくできますし、他人が本棚の前にいて読みたい本が探しにくい、なんてこともありません。
もちろん、あえて他人と同じ空間の本屋に行くというやり方も考えられますが。
これはAmazonとかが、そのうちやるんじゃないかな、なんて思います。
AmazonはKindleにコンテンツ自体を持っているので、あとはそれをバーチャル本屋に配置すればできそうです。
無限に立ち読み(寝転がり読み?)できてしまうので、コンテンツの確認は、「時間」とか「ページ数」で制限されます。
パラパラめくりしたいので、個人的には時間での制限がいいですね。
3分とか5分とか、多くて10分でしょう。
あくまでも購入前提なので、決められた時間かページで内容を確認して、欲しければそのまま「購入」ボタンを押したり「購入」アクションをしたりして買います。
誰もが本屋を「持つ」時代を
私は紙の本が大好きで、本屋も大好きです。
が、最近、海外にいて日本の書籍がなかなか手に入らなかったこともあり、電子書籍を使い始めていました。
これはこれで結構便利で、「意外といけるなぁ」と食わず嫌いを反省しましたが、それは購入後の「読書」と「管理」のフェーズにおいて感じたことです。
本を探すという「検索」のフェーズにおいては、本屋での出会いを求めるワクワク感と紙の本をパラパラめくる便利さは、電子書籍では代えがたいものがあると感じます。
遠隔サービスの到来は、本屋にとっては生き残りをかけた厳しい戦いを意味すると思いますが、いつでも本屋を回遊できる時代が来てほしいと思います。
^U^
ひとことポイント
・本は購買プロセスこそワクワクする体験なので、それ抜きに遠隔接客しても意味がない
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