最近、モバイルファーストなサービスが増えてきましたが、ふと、今のモバイルファーストはなんだかその先がある気がしてきました。
ということで今回は、今のモバイルファーストのその先について、考えたことを書き記したいと思います。
今までのモバイルファーストの意味
ちょっと前まで、世の中にはパソコンを前提としたWebサービスがあふれていました。
スマホが登場する以前は、Webサービスと言えばパソコンでやるものでしたし、企業側もパソコンに最適化された画面レイアウトを作っていました。
そんなものは、当然、スマホで見ればちっちゃな字になってしまい、見られません。
それでもスマホが広く浸透するまでは、人々の中で「Webサービスはパソコンでやるものだ」という認識があったので、文句を言う人はあまりいませんでした。
いつしか人々がスマホを当たり前に持つようになると、「スマホでもできる」をウリにするサービスが登場し始めました。
電子メールを使い始めたらもうFAXには戻れないように、人間は一度使ってみて「これは便利」となると、もう元には戻れません。
多くの人がスマホだけで完結するサービスを求め、それに応じて、企業のWebサービスはモバイルファーストが基本戦略になりました。
最近では、大企業の展開するサービスを中心に、ほとんどのサービスがスマホに対応しています。
スマホ完結を前提としたWebサービスの設計、それがモバイルファーストであり、これができていればひとまず、安心、かのようになったのです。
スマホは「小さいパソコン」ではない
「今までパソコンでやっていたことを、スマホでもできるようにする。」
「そこからさらに一歩進んで、スマホに最適化されたサービスを構築する。」
それが現在のモバイル・ファースト戦略なわけですが、モバイルファーストは、実はこれで終わりではありません。
その理由は、スマホとパソコンの違いにあります。
スマホとパソコンの大きな違い、それは「スマホが携帯されること」です。
「なんだ、あたりまえじゃないか」と思うかもしれませんが、実はこの「携帯されること」には大きな意味があります。
スマホは四六時中、ユーザーに伴われて移動します。
言ってみれば、スマホは持ち主と同一の動きをしているわけです。
これがこれからの画期的なサービスを生み出す源泉になります。
動くユーザーデータの塊なわけです。
言ってみれば、ユーザーのデジタルな「分身」です。
一方パソコンはそうはいきません。
セキュリティの関係から、用途を分けていることが多いと思います。
パソコンの用途は会社であればビジネス用で、家のパソコンはもっぱら動画閲覧やネットサーフィン、ゲーム用など、公私を切り離しているでしょう。
この点、ウェアラブル・デバイスも似たような側面を持ちますが、普及率で見れば、スマホにはまだまだ及びません。
現時点では、スマホだけが、ユーザーの分身たる身分を持っています。
これからのモバイルファーストは、「モバイルを持つユーザー」の暮らしをデザインすること
ユーザーの分身であるスマホがあると、企業は様々なサービスに活用する道が出てきます。
さらに5GやGPS、ジオフェンシングなどの位置情報、行動履歴、バイタル・データとアプリの利用データなど、多様なデータを活用して、いつ、どこで、何をしたかを分析すると、パーソナルでまったく新しいサービスを生み出すことができます。
もちろん、個人情報の山なわけですから、個人情報やプライバシーの取扱いには細心の注意が必要ですが、ユーザーは利便性が高いサービスであれば個人情報を提供する傾向にありますので、やがてはパーソナライズされたサービスが広がっていくでしょう。
人々が、より自分自身をサービス提供者側に理解してもらった状態で、きめ細かなサービスが受けられる。
これこそれが「真のモバイルファースト」、つまりモバイルがなければ成しえなかったサービスの構築であり、新たな生活様式の創造に他なりません。
企業は、スマホに対応したサービスを作って一安心をしていてる場合ではなく、まさに新しい世の中のサービスを積極的に定義する時代だと感じている次第です。
^U^
ひとことポイント
・モバイルの時代だからこそのサービスを創造しよう
コメント