人を説得するために「感情」に訴えるべき時、「論理」が刺さる場合

explain by emotions 06.自己啓発

前回のエントリーでメンタリストDaigoさんの『人を操る禁断の文章術』の3つのお役立ちリストの話をしました。

今回はこの本の中で、Daigoさんと見解の相違を感じた「感情に訴える説得」について、私の見解を書き記しておきたいと思います。

なお、今回は疑問点への反論というスタイルでこのエントリーを構成していますが、私はメンタリストDaigoさんを尊敬していますし、この本自体はとても参考になるものですので、念のため申し添えておきます。

「書かない」3原則のひとつ、「きれいに書かない」に疑問が

question to the word

メンタリストDaigoさんの文章術に、3つの「書かない」原則があります。

メンタリストDaigoの「書かない」3原則
  • 原則1:あれこれ書かない
  • 原則2:きれいに書かない
  • 原則3:自分で書かない

この3原則のうち、原則2である「きれいに書かない」にある記述を引用します。

それは「人は”論理”ではなく”感情”で動く」という心理法則です。

人は論理で納得しても行動には移りません。

逆です。

感情によって行動したあと、その行動を正当化しているのです。

理屈をつけて、「正しい行動をした」と自分で自分を納得させているのです。

出典:人を操る禁断の文章術

この文章を読むと、人が動くのは必ず「感情」にのみによってである、と読めます。

はたして本当にそうでしょうか。

感情に訴えるが果たして唯一の正解なのか

感情に訴えるのは「諸刃の剣」

私は、人を説得するとき、必ずしも感情に訴える必要はないと思っています。

ロジカル(論理的)な説明をしてもらった方がしっくりくるという場合もあるはずです。

むしろ感情論がジャマに感じる場面やタイミングがあるはずで、お客様の趣向としてもロジカルな方がいいという場合はあると思います。

感情に訴えるというのは実は「諸刃の剣」で、相手との心理状態が一致していない場合、相手を置いてけぼりにする可能性が高いです。

つまり文章の場合、書き手と読み手の熱量があっていないと、反発を食らう場合もあると思います。

日用品を買うのに感情的な説得はいらない

日用品やコモディティ系の商品を買う場合、感情的に読み手に訴えかける必要があるでしょうか。

私としては、機能面をスッキリ説明してもらった方がメリットも分かりやすいですし、他社製品との比較もしやすく、スッと購入につなげるので、便利だと感じます。

「コモディティな商品こそ感情面に訴えて差別化をするのだ」という書き手側の意図もあるかもしれませんが、コモディティな商品にそれほど思い入れはありませんし、なるべく時間をかけずに機能面だけを確認したいという人もいると思います。

ストーリーを入れて感情面にも配慮する、というスタンスならいいと思いますが、必ず感情面を強調しなければいけないということはないと思っています。

ロジカルな説得は、大きな成功もしないかもしれないが、大きな失敗もしない

確かに、感情的な説得は、相手の心情と合致してハマれば、行動する可能性は高くなると思います。

一方でロジカルな説得は、行動を起こさせるという点では、「居ても立っても居られない」レベルの大きな成功はなかなか発生しないかもしれません。

ただ、ロジカルな情報というのは、これはこれで必要なものですし、大きな失敗もしにくいという側面があります。

ドラクエの武器にたとえるなら、ロジカルな説得は、ダメージを安定的に与えられる「剣」であり、感情的な説得は、空振りもしやすいけど当たると大ダメージを与えられる「ハンマー」という感じです。

「感情に訴える」なら相手の必ず相手の心情と合致させよ

感情に訴えるのであれば、必ず相手の心情と熱量を読み取る必要があります。

これを誤ると全く響きません。

つまり、相手の心理状態がわかるようなケースにのみ、感情系の説得は有効なのです。

よくYouTubeとかを見ていると、薄毛とか美容とかのコンプレックス系広告が流れたりしますが、あれこそは、コンプレックスがある人がどういう心理なのかを理解した上で作られた広告なので、かなり感情的な説得をしています。

そういう場面では役に立ちます。

逆に、もう行動することが決まっていて、後はメリット・デメリットを冷静に確認したい場合には、ロジカルな記述・口述の方が有効でしょう。

感情的な説得が必ず論理的な説得より上ということではないということです。

結論的まとめると、感情的説得と論理的説得は双方とも有益な説得方法ではあるので、時と場合にあわせて、どちらを優先させるかの割合を変えるべきでしょう。

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ひとことポイント

・感情的な説得と論理的な説得はTPOで使い分けよう

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