コロナ禍で四半期決算が最高益の企業とアフターコロナのゆくえ

chart of the highest profit 03.お金

日経に、コロナ禍でも最高益となった企業についての記事がありました。

巣ごもり需要で41社最高益 4~6月、パソコンなど - 日本経済新聞
新型コロナウイルスによる生活様式の変化を捉えた企業が利益を伸ばしている。2020年4~6月期の純利益が過去最高となったのは、5日時点で41社となった。テレワークの普及や在宅時間の増加によって、パソコンや食品などは需要が増えている。全体では3...

全体では3社に1社が赤字という逆風下で、最高益はわずか約4%にとどまるとのこと。

ということで今回は、コロナ禍に強い企業はどこかについて書き記しておきたいと思います。

最高益企業の顔ぶれ

日経の調査では、8月5日時点までで集計した企業のうち、2020年4~6月期の純利益が過去最高となったのは、41社であったとのこと。

代表的な顔ぶれは以下のとおり。

企業名事業理由純利益増加率
ケーズHD家電量販店白物家電など販売増115億円97%
コメリホームセンター家庭菜園やDIY需要を取り込み85億円76%
コーエーテクモHDゲームメーカー在宅時間増でゲーム時間増66億円3倍
MCJ(マウス)パソコンメーカー在宅勤務でパソコン販売が伸びる42億円2倍
エスビー食品メーカー家庭での調理機会が増加25憶円56%
テクマトリックスネットワーク
インテグレーター
企業のセキュリティ対策を受注6億円77%
イーブック電子書籍電子書籍サービスが好調2億円2.3倍
※日本経済新聞のデータを基に一部追記

純利益が前年同期に比べて2倍、3倍になった企業もありますね。

コーエーテクモHDはダウンロード型のゲーム販売が主力ですから、開発の固定費は高いと思いますが、逆に変動費は低く、損益分岐点を超えた後は売れば売るほどまるまる利益になっていったというストーリーが見えます。

一方パソコンメーカーのMCJ(マウスコンピュータージャパン)の場合、変動費率はそこそこあると思いますので、純利益が2倍になったのは、よっぽど売れまくったのでしょうね。

MCJのホームページの決算開示資料を見るかぎり、法人・個人、双方の巣ごもり需要を取り込めたことが功を奏したようです。

企業の最高益は巣ごもり需要が大きい

今回のコロナ禍での最高益の原因は大きく分けて2つあると思います。

一つは、新型コロナウィルスを直接の原因とするものです。

先ほどの記事の集計から一日遅れで、8/6の日経に島津製作所も最高益を更新した記事がありました。

島津製作所の4~6月、営業最高益 コロナ向け試薬堅調 - 日本経済新聞
島津製作所が6日に発表した2020年4~6月期の連結決算は営業利益が前年同期比36%増の60億円だった。この期間として過去最高だった。新型コロナウイルスの影響で主力の計測機器の販売が減少したが、旅費や交通費、広告宣伝費などのコスト削減が寄与...

新型コロナ向け試薬などが堅調で、また新型コロナの画像診断で使う回診用X線装置が伸びたということですので、新型コロナウィルスを直接の原因としています。

もう一つは、新型コロナウィルスの流行から派生した巣ごもり需要に関連するものです。

上の表に挙げた企業はすべて巣ごもり需要関連です。

今回の最高益を達成した企業はほとんどが巣ごもり需要関連の企業であることは興味深いです。

フリマアプリ最大手のメルカリも上場後初の黒字となりました。

メルカリが48%増収、20年6月期 コロナでEC急拡大 - 日本経済新聞
フリーマーケット(フリマ)アプリ大手のメルカリが6日発表した2020年6月期の連結決算は、売上高が前の期比48%増の762億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がり、個人間でも電子商取引(EC)の利用が急増。赤字が続く米国事...

在宅時間が増加して、ECマーケットが活性化したのと同じ理由で、フリマアプリのニーズが増えたのでしょう。

また任天堂も「あつまれ どうぶつの森」の売上が貢献し、純利益が6.4倍になりました。

任天堂の4~6月期、純利益6.4倍 「スイッチ」販売予想は据え置き - 日本経済新聞
任天堂(7974)が6日発表した2020年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比6.4倍の1064億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大を機に「巣ごもり消費」が活発になり、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」や関連ソフトの販売が好調...

ゲーム関連は総じて好調のようです。

コロナ禍で通勤や飲み会等がなくなり、人々の余暇時間が増えたにもかかわらず、外出自粛で旅行や外食にも行けないとなると、家でできるゲームに需要が集まるのは当然の帰結です。

アフターコロナに対応できるか

nintendo-switch

今回の最高益を一時的な「特需」で終わらせないためにも、各企業はニューノーマルがどこに着地するのかを注意深く探る必要があるでしょう。

特に任天堂のような新しい価値を提案して成長してきたような企業には、ニューノーマルなエンターテインメントのカタチを提唱してほしいですね。

その片鱗は「どうもり」に出ていると思いますが。

コロナ禍でも人々は他人とのつながりやアクティビティを求めており、これを疑似的に行うことができる「どうもり」に集まっているのでしょう。

まさしく「あつまれ どうぶつの森」のタイトルどおりになっているわけですね(笑)。

個人的には、もう少しVR系ガジェットとコンテンツが整っていれば、今回の巣ごもり需要を機に爆伸びしたなぁと思っており、VRを応援している私としては、この時流に乗れていないのが残念です。

アフターコロナのニューノーマルを予測できる企業は今後、大きく成長するでしょう

またニューノーマルを予測できる個人は、投資家として、かなり有利です。

私も未来を予測するトレーニングとして、ニューノーマルを探ってみたいと思います。

^U^

ひとことポイント

・ニューノーマルを探ろう

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