日経に、コロナ禍でも最高益となった企業についての記事がありました。

全体では3社に1社が赤字という逆風下で、最高益はわずか約4%にとどまるとのこと。
ということで今回は、コロナ禍に強い企業はどこかについて書き記しておきたいと思います。
最高益企業の顔ぶれ

日経の調査では、8月5日時点までで集計した企業のうち、2020年4~6月期の純利益が過去最高となったのは、41社であったとのこと。
代表的な顔ぶれは以下のとおり。
企業名 | 事業 | 理由 | 純利益 | 増加率 |
---|---|---|---|---|
ケーズHD | 家電量販店 | 白物家電など販売増 | 115億円 | 97% |
コメリ | ホームセンター | 家庭菜園やDIY需要を取り込み | 85億円 | 76% |
コーエーテクモHD | ゲームメーカー | 在宅時間増でゲーム時間増 | 66億円 | 3倍 |
MCJ(マウス) | パソコンメーカー | 在宅勤務でパソコン販売が伸びる | 42億円 | 2倍 |
エスビー | 食品メーカー | 家庭での調理機会が増加 | 25憶円 | 56% |
テクマトリックス | ネットワーク インテグレーター | 企業のセキュリティ対策を受注 | 6億円 | 77% |
イーブック | 電子書籍 | 電子書籍サービスが好調 | 2億円 | 2.3倍 |
純利益が前年同期に比べて2倍、3倍になった企業もありますね。
コーエーテクモHDはダウンロード型のゲーム販売が主力ですから、開発の固定費は高いと思いますが、逆に変動費は低く、損益分岐点を超えた後は売れば売るほどまるまる利益になっていったというストーリーが見えます。
一方パソコンメーカーのMCJ(マウスコンピュータージャパン)の場合、変動費率はそこそこあると思いますので、純利益が2倍になったのは、よっぽど売れまくったのでしょうね。
MCJのホームページの決算開示資料を見るかぎり、法人・個人、双方の巣ごもり需要を取り込めたことが功を奏したようです。
企業の最高益は巣ごもり需要が大きい

今回のコロナ禍での最高益の原因は大きく分けて2つあると思います。
一つは、新型コロナウィルスを直接の原因とするものです。
先ほどの記事の集計から一日遅れで、8/6の日経に島津製作所も最高益を更新した記事がありました。

新型コロナ向け試薬などが堅調で、また新型コロナの画像診断で使う回診用X線装置が伸びたということですので、新型コロナウィルスを直接の原因としています。
もう一つは、新型コロナウィルスの流行から派生した巣ごもり需要に関連するものです。
上の表に挙げた企業はすべて巣ごもり需要関連です。
今回の最高益を達成した企業はほとんどが巣ごもり需要関連の企業であることは興味深いです。
フリマアプリ最大手のメルカリも上場後初の黒字となりました。

在宅時間が増加して、ECマーケットが活性化したのと同じ理由で、フリマアプリのニーズが増えたのでしょう。
また任天堂も「あつまれ どうぶつの森」の売上が貢献し、純利益が6.4倍になりました。

ゲーム関連は総じて好調のようです。
コロナ禍で通勤や飲み会等がなくなり、人々の余暇時間が増えたにもかかわらず、外出自粛で旅行や外食にも行けないとなると、家でできるゲームに需要が集まるのは当然の帰結です。
アフターコロナに対応できるか

今回の最高益を一時的な「特需」で終わらせないためにも、各企業はニューノーマルがどこに着地するのかを注意深く探る必要があるでしょう。
特に任天堂のような新しい価値を提案して成長してきたような企業には、ニューノーマルなエンターテインメントのカタチを提唱してほしいですね。
その片鱗は「どうもり」に出ていると思いますが。
コロナ禍でも人々は他人とのつながりやアクティビティを求めており、これを疑似的に行うことができる「どうもり」に集まっているのでしょう。
まさしく「あつまれ どうぶつの森」のタイトルどおりになっているわけですね(笑)。
個人的には、もう少しVR系ガジェットとコンテンツが整っていれば、今回の巣ごもり需要を機に爆伸びしたなぁと思っており、VRを応援している私としては、この時流に乗れていないのが残念です。
アフターコロナのニューノーマルを予測できる企業は今後、大きく成長するでしょう
またニューノーマルを予測できる個人は、投資家として、かなり有利です。
私も未来を予測するトレーニングとして、ニューノーマルを探ってみたいと思います。
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ひとことポイント
・ニューノーマルを探ろう
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