日経に、私も普段からよく使うUber関連の記事がありました。
私はシリコンバレーでUberもUber Eatsも共に使っています。
というか、ちょっと前から航空会社のようなステータス・プログラムが始まったのですが、使いすぎてプラチナランクになってしまいました。
シリコンバレーに来てしばらく、車の免許を取らなかったのが原因ですが。
ということで今回は、日本でも攻勢をかけ始めたUberについて書き記しておきたいと思います。
Uberより広く浸透したUber Eats
Uber Eats、日本では配達員の補償問題が大きく取り上げられていますが、コロナ禍を受けて、一気にサービスの認知度と利用率が上がった気がします。
白タク規制の問題で出鼻をくじかれたUberより広く浸透したと言えるでしょう。
そして、ここに来てライバルを一気に突き放すため施策として、宅配料の月額定額制を打ち出しました。
1回の注文で1,200円以上の場合、月980円の宅配料で固定されるものとのこと。
宅配料の部分だけではありますが、Uber Eatsもついにサブスクリプション型になりましたね。
これは顧客の囲い込み効果がありそうです。
定額制は一定以上の注文料金になる必要がありますので、単価アップにも貢献しそうです。
顧客として、宅配料をいちいち気にしなくて良くなりますから、よく使う人にとっては便利なサービスでしょう。
今回の施策は、飲食の宅配サービス普及に一役買いそうです。
日本のUberはまだ「なんちゃってUber」
一方、祖業であるUberの方はどうでしょうか。
残念ながら現状では日本でUberを使っても、アメリカのようなベネフィットは得られない仕組みになってしまっています。
理由は3つあります。
理由1:P2Pのシェアリングサービスを実現していない
まず、大前提として、本来のUberはライドシェアをするアプリです。
車で移動したい個人と、車で誰かを運ぶことができる個人をP2P(Peer to Peer)の仕組みでつなぐのがUberの基本です。
つまり運転手はタクシー会社の社員ではなく個人であり、素人です。
サンフランシスコから始まったUberですが、これほどサービスが広がった理由は、そもそもタクシーが来ない、高い、サービスが悪いという供給の問題と、サンフランシスコ・ベイエリアの渋滞がひどいという環境の問題がありました。
それをUberがテクノロジーを使って解決したのです。
一方で、日本でUberを使って呼べるのはタクシーか、それより高いハイヤーです。
P2Pでもライドシェアでもありません。
現状では、単なる配車アプリです。
ダイナミックプライシングではない
Uberは通勤ラッシュ時間や雨の日など、時間や天候、そして僻地から乗るといった場所によって、料金が変わります。
この需要と供給のメカニズムで決まるダイナミックプライシングの絶妙なアルゴリズムと膨大なデータを持つのがUberの強みの一つですが、日本ではタクシー配車アプリなので、関係ありません。
基本的にタクシーのメーターで料金が決まるようです。
サービスエリアが限定的
今回、東京でサービスが始まったようですが、まだ連携しているタクシー会社も少なく、エリアがかなり限定的です。
エリアを気にしながら使わなければいけないのは、ユーザーとしてはかなり使いづらいです。
タクシーが走ってないようなところにこそ、必要な時にサッと来てほしいと思うのですが。
まぁ、もともと日本でやっていたハイヤーのみの配車アプリよりかは、いくぶんマシにはなったと思いますが、まだサービス途上の感は否めません。
カギはスーパーアプリ化か
Uberがこのままただの配車アプリであり続ければ、先行する競合アプリも色々ありますので、なかなかのレッドオーシャンな戦いになってしまいます。
本来の役割であるライドシェアの機能を実現することとあわせて、Uber Eatsやその他のミニアプリを追加してスーパーアプリ化することが、多くの競合もひしめく中で存在感を発揮できるカギとなるでしょう。
シリコンバレーではUberの画面から「Lime」というライドシェア用キックスクーターの検索もできて、アプリでそのままレンタルできますが、こうしたUberと親和性のあるサービスの取込みが今後も進んでいくものと思われます。
またUberは自動運転にも力を入れており、次世代タクシーの旗手になる可能性もあります。
今後のUberの日本での巻き返しの施策がどういうものになるか、期待したいと思います。
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ひとことポイント
・Uberのスーパーアプリはプラチナ・ユーザーとして割と期待しています
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