今回は、「何を」語るかより「誰が」語るかが大事だなと思ったので、自分の経験で語ることの重要性についての話です。
自己啓発書で言っていることは、100年前から変わっていない
世にあるビジネス書とか自己啓発書って、昔から本質は変わってないんじゃないかと思います。
ビジネス書の中でも、現在の経済活動に即した理論とかマインドとかは変わっていると思いますが、そういうもの以外、8割か9割は、昔から言われていたことの気がします。
ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』が出版されたのが1937年ですから、100年は言い過ぎですが、80年くらい前には、成功哲学の原型はできていたわけです。
もっと言えば、世の賢人の知恵や言葉は、それよりも前からたくさんあるので、これを源流と考えれば、およそ言葉ができてから脈々と人類の格言は受け継がれてきています。
それでもビジネス書や自己啓発本が売れる理由
それでも「古い格言の焼き増し」的な側面があるビジネス書や自己啓発本がベストセラーになるのは、そういう昔からの核論を実践して、「あっ、やっぱりそうだった」と再確認した人が、自分の経験を基に、自分の言葉で語っているからだと思います。
自分自身の経験があるから、重みがあるわけで、たとえ短い言葉の中であっても、そこにある行間や背景が伝わってきます。
ブランドになっているわけです。
何を伝えるかの中身の部分も大事ですが、「誰が伝えるか」で、相手に響くかが変わります。
泥棒に、盗みはよくないよ、と説教されても、誰も聞く耳を持たないでしょう。
あっ、泥棒して捕まって監獄で大変な思いをした元泥棒が、自分の辛い獄中経験を基に泥棒の無意味さ、ハイリスク・ローリターンさを語るのであれば話は別ですが(笑)。
また、読者側の観点から考えてみると、著書を読む側も、知らない偉人のストーリーより、SNSやテレビで観たことのある著名人の方が身近ですし、より体験談も同時代の方がリアルに伝わってきますので、やはり現代の著作家を選好するのでしょう。
イチローの言葉
「誰が語るか」の重要性を指摘したイチローの言葉があります。
同じ言葉でも、誰が言っているかによって意味が変わってきます。
だから、まず言葉が相手に響くような自分を作らなければならないと考えています。
今は言葉を発することが先になってしまっている時代のように見えますが、言葉を発する前に、まず自分を作れよって思います。
そうすれば自分なりの言葉が出てくるはずだし、人が聞いたときの伝わり方がまったく違ってくるはずです。
だからまずは黙って、やること。
言葉を発するのはそのあとでいいんです。
出典:イチローの言葉 ナンバー(Sports Graphic Number) 2019/4/25号
まさしく実践の人、イチローの言葉であるからこそ、発言に重みがあります。
経験が「知識」や「理論」を自分の言葉に変える
Amzaonのレビューで「既存の理論の焼き増し」と評価される本をときどき見かけますが、これって自分の言葉で語る力が弱い本なんじゃないかと思います。
あと、具体例が少ないのも、説得力に欠けます。
やはり自分でやったことに勝る「知識」や「理論」はありません。
頭ではわかっていたけど、いざ実践するとまるで違う、という経験は、誰にでもあると思います。
それを自分の言葉にして伝えると、相手にも情熱がヒシヒシと伝わりますし、自分もより、その経験を理解できます。
ということで、実践して経験値を得ましょう。
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ひとことポイント
・「知識」や「理論」を経験で語ろう
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