自分を前進させるために価値観を磨け【キャリア論②】

polish your value 02.キャリア・副業

私のこれまでの職業経験から導き出されたキャリア論をお話する『私のキャリア論』の第2弾です。

私が考えるキャリアのポイントは全部で9つありました。

私のキャリアに関する考え方9つ
  • キャリアはプランニングできない
  • 自分を前進させるために価値観を磨け(←本日のお話)
  • 新しいことにチャレンジするならPDCAではなく、BML
  • 好きなこと「だけ」にこだわり過ぎるな
  • 強みをテコに人生の突破口を開け
  • 努力のムダ使いを回避するためにテクノロジーの動向を押さえろ
  • 経験に勝る知恵はないが、経験からどう教訓を抽出するかで、知恵の陳腐化速度は変わる
  • 自分の能力を証明することにこだわるな、ヘタレがバレてもいいから成長を目指せ
  • キャリア・仕事は大半の人にとっては大きなウェイトを占めるが、結局、人生の一部でしかない

ということで、本日は「自分を前進させるために価値観を磨け」というお話です。

人生は「理不尽な出来事」の連続

長い人生において、人は必ず理不尽な出来事に遭遇する

人生というものは、なかなか私たちの思いどおりになってくれません。

いえ、むしろ思いどおりにいくことの方が、珍しいと言えるでしょう。

それは職業人生であっても同じです。

「希望の部署に行けなかった。」

「ツマラナイ仕事しか回ってこない。」

「嫌いな人が上司になってしまった。」

仕事をしていれば、様々な困難が降りかかってきます。

不運な出来事というのはどこにでもありますが、中でも特にツライのが、「理不尽」とさえ思える出来事です。

誰よりも適性があると実績で証明したのに、希望の部署に行けなかった」

新しい企画を立ち上げる能力とやる気はあるのに年次のせいで、ツマラナイ仕事しか回ってこない」

自分は精一杯やっているのに、嫌いな人が上司になってしまったせいで評価が低い」

もちろん、あまりにも不当な扱いを受けているのが事実であれば、そこは抗議するなり、断固として行動を起こすべきではありますが、人間関係のしがらみや置かれている立場を考えると、なかなかこうした行動を起こすとろこまではいかないこともあるでしょう。

こういう出来事が起こると、人は挫折をしてしまい、いつしかやる気をなくしていってしまい、悪循環に陥ってしまう危険もあります。

7つの習慣にある一節

「理解できない、納得できない、意味がわからない。」

こういう状況に対して、私たちはどう対処すればいいのでしょうか。

そのヒントはビジネス書として、また人生哲学として大ベストセラーとなった故スティーブン・R・コヴィーの著作『7つの習慣』の一節にあります。

刺激と反応の間にはスペースがある。

そのスペースには、私たちが自分の反応を選択する自由と力がある。

そして、その反応こそ、私たちの成長と幸福の鍵を握っている。

出典:7つの習慣

これはつまり、私たちは外界からの刺激に無思慮に反応する生き物ではなく、そこには自らの意思により選択をする自由があるということを示しています。

私たちが理不尽だと思える出来事は、「今」の価値観や考え方では理解できないということです。

そしてそれは、自分の価値観、考え方を見直すチャンスでもあります。

このとき有用な考え方が、「ビリーフ」と「ABC理論」です。

「ビリーフ」と「ABC理論」で価値観を磨く

ビリーフ

私たちは普段、特に意識することなく無数のことを自分の考え方や価値観で判断しています。

これは幼少期からの経験の積み重ねでできた強固な信念体系であるため、無意識のうちに判断することができます。

これを「ビリーフ」と呼びます。

ビリーフは普段、意識していないので、自分がそう思っていることを発見することが難しいため、変えることも難しいという特性があります。

ですから、理不尽と思えることに出会ったときや、挫折体験などは逆にチャンスです。

自分のビリーフを見直すチャンスだからです。

ABC理論

ビリーフを見直すためには、ABC理論という考え方が役に立ちます。

詳しくは以下のエントリーに書いていますが、ABC理論の要点は以下の3点です。

A:Activating event(出来事)

B:Belief(信念)

C:Consequence(結果)

これは『7つの習慣』にあった、刺激(A:出来事)と反応(C:結果)の間にはスペース(B:信念)があることを表しています。

先にも書いたとおり、このスペースこそ、私たちが取りうる考え方の自由、行動の自由です。

つまりビリーフ/信念を変えれば、同じ出来事に遭遇しても、結果が変わるということです。

理不尽に感じる理由の一端は、自分の価値観が状況に適していない不合理な価値観になっているからかもしれないのです。

すべてがすべて、自分のせいとは言えませんが、もしも自分が感じている理不尽さも包括する価値観を再構築できれば、人生はずっと楽になります。

すべてはあなたの考え方次第だ

絶対に役に立たないと思っていた経験が生きた

日経新聞にある有名なコラム「私の履歴書」でも、色々な偉人が口をそろえて言っていることは、若い時に意味がわからずやっていたことが、後で役に立ったということです。

私自身、「こんなことをして何の役に立つのだ」と思っていたことが、後で役に立ったという経験は無数にあります。

一番端的なことを一つ挙げましょう。

私がある金融機関の海外支店に出向していた頃のことです。

私がそこに在籍していたときに、支店が開業してちょうど20年になる年で、法人のお得意様や政財界の要人、日本の頭取ら重役も集めた記念パーティーが催されました。

このパーティーの準備がそれはもう大変なもので、海外支店の通常業務はただでさえ忙しいところ、忙しさに輪をかける重大タスクとなりました。

それ自体、私の思い出深い経験になりましたし、そんな場にいること自体が貴重な出来事だったので、いい思い出ですが、私はこの経験が生きることは、そうそうないだろうなと思っていました。

ところが、出向が終わって日本に帰って半年もしないうちに、海外の企業と国内のパートナー企業と提携を発表する大掛かりな記念式典をやることになったのです。

まさか式典を半年のうちに2回もやるとは思っていませんでしたが、出向していた時の経験が存分に生きたことは言うまでもありません。

このことがキッカケとなり、私は「どんなことでもマジメにやっていればいつか必ず活きてくる」というビリーフを持ちました。

あなたはその出来事をどう受け止めるかを選ぶことができる

世の中には善なること、悪なることはありません。

同じように、必要なこと、不要なこともありません。

全ては人間が「解釈」することであり、つまりは受け止め方次第なのです。

起こった出来事をどう受け止めるかは自分次第であり、そして結局、変えられるのは自分だけです。

信念は色々なレベルのものが相互に絡み合って複雑な体系を築いているため、そう簡単に変えられるものではないかもしれません。

しかし、時間をかけてゆっくりと変わろうとすれば、必ず変えられると思います。

なぜなら、人は環境に合わせて自分を変えながら生きる生き物だからです。

私が思うに人生とは、元々持っている粗削りな価値観をちょっとずつ更新しながら、より優れた人間(人格)に近づくことなのではないでしょうか。

ピンチのときこそ、自分の価値観を磨きなおして、前進しましょう。

^U^

ひとことポイント

・ABC理論でビリーフを見直して、理不尽さも包括する価値観を磨こう

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